FP2級過去問題 2018年9月学科試験 問32

問32

所得税における各種所得等に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  1. 発行済株式総数の3%未満の株式を所有する株主が受ける上場株式等に係る配当等は、その金額の多寡にかかわらず、申告不要制度を選択することができる。
  2. 不動産の貸付けが事業的規模である場合、その貸付けによる所得は事業所得となる。
  3. 退職一時金を受け取った退職者が、「退職所得の受給に関する申告書」を提出している場合、退職一時金の支給額の20.42%が源泉徴収される。
  4. 年間の給与収入の金額が1,000万円を超える給与所得者は、年末調整の対象とならないため、確定申告を行わなければならない。

正解 1

問題難易度
肢153.9%
肢211.8%
肢321.0%
肢413.3%

解説

  1. [適切]。発行済株式総数の3%未満の株式を所有する株主(一定の大口株主等以外)は、配当金額の多寡にかかわらず、総合課税・申告分離課税・申告不要制度の中から課税方式を選択することができます。
    発行済株式総数の5%未満の株式を所有する株主が受ける上場株式等に係る配当等は、その金額の多寡にかかわらず、申告不要制度を選択することができる。2021.3-33-2
    発行済株式総数の3%未満を所有する株主が受ける上場株式等に係る配当等は、その金額の多寡にかかわらず、申告不要制度を選択することができる。2016.9-32-2
  2. 不適切。事業所得ではありません。不動産の貸付けによる所得は、たとえ貸付規模が事業的だったとしても不動産所得に該当します。
    個人が不動産の貸付けを事業的規模で行った場合における賃貸収入による所得は、不動産所得となる。2024.9-32-2
    不動産の貸付けを事業的規模で行ったことにより生じた賃料収入に係る所得は、不動産所得に該当する。2024.5-32-2
    不動産の貸付けを事業的規模で行ったことにより生じた賃料収入に係る所得は、不動産所得となる。2023.9-32-1
    個人による不動産の貸付けが事業的規模である場合、その賃貸収入による所得は、事業所得に該当する。2022.9-31-3
    不動産の貸付けを事業的規模で行ったことにより生じた賃貸収入による所得は、事業所得となる。2022.1-32-3
    個人による不動産の貸付けが事業的規模である場合、その賃貸収入による所得は、事業所得となる。2020.9-32-2
    貸付けが事業的規模で行われているアパート経営の賃貸収入に係る所得は、事業所得に該当する。2019.5-32-2
  3. 不適切。20.42%が源泉徴収されるのは提出していない場合です。退職金の支払いを受ける者が勤務先に「退職所得の受給に関する申告書」を提出している場合、退職所得控除額が計算されて、適正額の所得税・住民税が源泉徴収されて課税関係が終了します。これに対して、提出していない場合には、退職一時金の支給額から一律20.42%(所得税20%・復興特別所得税0.42%)が源泉徴収されます。
    退職一時金を受け取った退職者が、「退職所得の受給に関する申告書」を提出している場合、所得税および復興特別所得税として、退職一時金の支給額の20.42%が源泉徴収される。2024.1-32-3
    退職一時金を受け取った退職者が、「退職所得の受給に関する申告書」を提出している場合、所得税および復興特別所得税として、退職一時金の支給額の20.42%が源泉徴収される。2022.1-32-1
    退職一時金を受け取った退職者が、「退職所得の受給に関する申告書」を提出している場合、退職一時金の支給額の20.42%が源泉徴収される。2021.3-33-4
  4. 不適切。1,000万円ではありません。年末調整の対象外となるのは1カ所から受ける年間給与支払額が2,000万円を超える給与所得者です。
したがって適切な記述は[1]です。