FP2級過去問題 2023年9月学科試験 問32

問32

所得税における所得の種類に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  1. 不動産の貸付けを事業的規模で行ったことにより生じた賃料収入に係る所得は、不動産所得となる。
  2. 会社の役員が役員退職金を受け取ったことによる所得は、給与所得となる。
  3. 個人年金保険の契約者(=保険料負担者)である個人が、その保険契約に基づき、年金受給開始後に将来の年金給付の総額に代えて受け取った一時金に係る所得は、退職所得となる。
  4. 会社員が勤務先から無利息で金銭を借り入れたことにより生じた経済的利益は、雑所得となる。

正解 1

問題難易度
肢171.0%
肢27.0%
肢314.2%
肢47.8%

解説

  1. [適切]。事業的規模(いわゆる5棟10室基準)で行っているか否かにかかわらず、個人が不動産の貸付けで得た所得は「不動産所得」になります。
    個人による不動産の貸付けが事業的規模である場合、その賃貸収入による所得は、事業所得に該当する。2022.9-31-3
    不動産の貸付けを事業的規模で行ったことにより生じた賃貸収入による所得は、事業所得となる。2022.1-32-3
    個人による不動産の貸付けが事業的規模である場合、その賃貸収入による所得は、事業所得となる。2020.9-32-2
    貸付けが事業的規模で行われているアパート経営の賃貸収入に係る所得は、事業所得に該当する。2019.5-32-2
    不動産の貸付けが事業的規模である場合、その貸付けによる所得は事業所得となる。2018.9-32-2
  2. 不適切。役員退職金は「退職所得」となります。会社の役員も給与所得者であり、それまでの勤務実績に応じて退職により一時に受ける給与であることは、他の給与所得者と変わりません。
    会社役員が役員退職金を受け取ったことによる所得は、給与所得となる。2020.9-32-3
    役員が退職金を一括で受け取ったことによる所得は、給与所得となる。2013.1-32-3
  3. 不適切。個人年金保険の年金受給開始後に、将来の年金給付の総額に代えて受け取る一時金は「一時所得」となります。個人年金の一括受取りは、年金受給開始前/後および一時金が年金給付の総額に代わるものかどうかにより所得の区分が異なります。
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    個人年金保険の契約者(=保険料負担者)である個人が、その保険契約に基づく年金を年金形式で受け取ったことによる所得は、雑所得となる。2020.9-32-4
  4. 不適切。通常、お金は利息を支払って借りるものですから、従業員が会社から無利息で金銭を借りた場合、従業員は会社から経済的利益を得たとみなされます。この場合、原則として、従業員側では利息相当額が「給与所得」として課税されます。
    会社員が勤務先から無利息で金銭を借りたことにより生じた経済的利益は、雑所得となる。2022.1-32-4
    会社員が勤務先から無利息で金銭を借り入れたことによる経済的利益は、雑所得に該当する。2019.5-32-3
    会社員が勤務先から無利息で金銭を借り入れたことによる経済的利益は、雑所得となる。2016.1-31-2
    会社員が勤務先から無利息で金銭を借り入れたことによる経済的利益は、雑所得となる。2014.9-32-4
    会社員が勤務先から無利息で資金を借りたことによる経済的利益は、原則として、給与所得となる。2013.5-33-4
したがって適切な記述は[1]です。