FP2級過去問題 2024年9月学科試験 問32

問32

所得税における各種所得に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 個人が賃貸している土地を売却したことによる所得は、譲渡所得となる。
  2. 個人が不動産の貸付けを事業的規模で行った場合における賃貸収入による所得は、不動産所得となる。
  3. 個人年金保険の契約者(=保険料負担者)である個人が、その保険契約に基づく年金を年金形式で受け取ったことによる所得は、雑所得となる。
  4. 個人事業主が事業資金で購入した株式の配当金を受け取ったことによる所得は、事業所得となる。

正解 4

解説

  1. 適切。個人が賃貸していた土地・建物を売却した場合、その所得は資産の譲渡によって実現したことになりますから、譲渡所得に該当します。不動産所得ではないので注意しましょう。
    賃貸している土地を売却したことによる所得は、譲渡所得に該当する。2024.5-32-1
    賃貸していた土地および建物を売却したことによる所得は、不動産所得に該当する。2019.5-32-1
    賃貸していた土地を売却した代金を受け取ったことによる所得は、不動産所得である。2017.9-32-3
    賃貸していた土地および建物を売却したことによる所得は、不動産所得に該当する。2016.5-32-3
  2. 適切。個人が不動産の貸付けで得た所得は、事業的規模(いわゆる5棟10室基準)で行っているか否かを問わず、不動産所得に該当します。
    不動産の貸付けを事業的規模で行ったことにより生じた賃料収入に係る所得は、不動産所得に該当する。2024.5-32-2
    不動産の貸付けを事業的規模で行ったことにより生じた賃料収入に係る所得は、不動産所得となる。2023.9-32-1
    個人による不動産の貸付けが事業的規模である場合、その賃貸収入による所得は、事業所得に該当する。2022.9-31-3
    不動産の貸付けを事業的規模で行ったことにより生じた賃貸収入による所得は、事業所得となる。2022.1-32-3
    個人による不動産の貸付けが事業的規模である場合、その賃貸収入による所得は、事業所得となる。2020.9-32-2
    貸付けが事業的規模で行われているアパート経営の賃貸収入に係る所得は、事業所得に該当する。2019.5-32-2
    不動産の貸付けが事業的規模である場合、その貸付けによる所得は事業所得となる。2018.9-32-2
  3. 適切。個人が保険契約から年金形式で年金を受け取った場合、雑所得に該当します。一時金で受け取った場合、一時所得となることもあるので注意が必要です。
    個人年金保険の契約者(=保険料負担者)である個人が、その保険契約に基づき、年金受給開始後に将来の年金給付の総額に代えて受け取った一時金に係る所得は、退職所得となる。2023.9-32-3
    個人年金保険の契約者(=保険料負担者)である個人が、その保険契約に基づく年金を年金形式で受け取ったことによる所得は、雑所得となる。2020.9-32-4
  4. [不適切]。個人が株式の配当を受け取った場合、配当所得として課税されます。個人事業主が事業資金で購入した場合でもこれは変わりません。
    個人事業主が事業資金で購入した株式について配当金を受け取ったことによる所得は、一時所得に該当する。2024.5-32-4
    個人事業主が事業資金で購入した株式について、配当金を受け取ったことによる所得は、配当所得となる。2022.1-32-2
    個人事業主が事業資金で購入した株式について、配当金を受け取ったことによる所得は、一時所得となる。2020.9-32-1
    個人事業主が事業資金で購入した株式の配当金を受け取ったことによる所得は、配当所得となる。2019.9-33-2
    個人事業主が事業資金で購入した株式の配当金に係る所得は、配当所得に該当する。2016.5-32-2
したがって不適切な記述は[4]です。