FP2級過去問題 2022年9月学科試験 問31
問31
所得税における各種所得に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。- 不動産所得の金額は、原則として、「不動産所得に係る総収入金額-必要経費」の算式により計算される。
- 賃貸の用に供している土地の所有者が、当該土地を取得した際に支出した仲介手数料は、当該土地の取得価額に算入されるため、その支払った年分の不動産所得の金額の計算上、必要経費に算入することはできない。
- 個人による不動産の貸付けが事業的規模である場合、その賃貸収入による所得は、事業所得に該当する。
- 借家人が賃貸借の目的とされている居宅の立退きに際して受け取る立退き料(借家権の消滅の対価の額に相当する部分の金額を除く)は、原則として一時所得に該当する。
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正解 3
問題難易度
肢12.4%
肢210.5%
肢380.9%
肢46.2%
肢210.5%
肢380.9%
肢46.2%
分野
科目:D.タックスプランニング細目:3.各種所得の内容
解説
- 適切。不動産所得の金額は、原則として「不動産所得に係る総収入金額-必要経費」の式で計算します。総収入金額には、住宅や店舗などの賃貸収入、駐車場収入および看板広告などのように不動産を賃貸したことで得る収入のほか、以下のようなものが含まれます。
- 敷金や保証金などのうち、返還を要しないもの
- 名義書換料、更新料など
- 電気代、水道代などの共益費
不動産所得の金額は、原則として、「不動産所得に係る総収入金額-必要経費」の算式により計算される。(2023.5-32-2)事業所得の金額は、原則として、その年中の「事業所得に係る総収入金額-必要経費」の算式により計算される。(2023.1-32-1)不動産所得の金額は、原則として、その年中の「不動産所得に係る総収入金額-必要経費」の算式により計算される。(2023.1-32-3)一時所得の金額は、原則として、その年中の「一時所得に係る総収入金額-その収入を得るために支出した金額の合計額」の算式により計算される。(2023.1-32-4)公的年金等以外のものに係る雑所得の金額は、「(公的年金等以外の雑所得に係る総収入金額-必要経費)×1/2」の算式により計算される。(2021.1-32-3)不動産所得の金額は、原則として、「不動産所得に係る総収入金額-必要経費」の算式により計算される。(2020.1-32-4)不動産所得の金額は、「不動産所得に係る総収入金額-必要経費」の算式により計算される。(2017.5-32-1)事業所得の金額は、「事業所得に係る総収入金額-必要経費」の算式により計算される。(2017.5-32-2) - 適切。賃貸用の土地および建物を取得した際の仲介手数料は、購入した時点でその資産(土地や建物)の取得価額に含めます。不動産所得の金額の計算上、仲介手数料はすでに資産に計上されているので全額を必要経費にできません。※減価償却費として費用化されることとなります。賃貸用土地および建物の取得者が、当該土地および建物を取得した際に支出した仲介手数料は、その支払った年分の不動産所得の金額の計算上、全額を必要経費に算入することができる。(2021.9-33-1)
- [不適切]。個人が不動産の貸付けで得た所得は、事業的規模(いわゆる5棟10室基準)で行っているか否を問わず、不動産所得に該当します。
所得税法の区分では、貸付け可能な不動産が、アパート・貸間であれば10室以上、独立家屋であればおおむね5棟以上であれば事業的規模として取り扱われます(5棟10室基準)。事業的規模と判定されると青色申告の控除額などでメリットがあります。個人が不動産の貸付けを事業的規模で行った場合における賃貸収入による所得は、不動産所得となる。(2024.9-32-2)不動産の貸付けを事業的規模で行ったことにより生じた賃料収入に係る所得は、不動産所得に該当する。(2024.5-32-2)不動産の貸付けを事業的規模で行ったことにより生じた賃料収入に係る所得は、不動産所得となる。(2023.9-32-1)不動産の貸付けを事業的規模で行ったことにより生じた賃貸収入による所得は、事業所得となる。(2022.1-32-3)個人による不動産の貸付けが事業的規模である場合、その賃貸収入による所得は、事業所得となる。(2020.9-32-2)貸付けが事業的規模で行われているアパート経営の賃貸収入に係る所得は、事業所得に該当する。(2019.5-32-2)不動産の貸付けが事業的規模である場合、その貸付けによる所得は事業所得となる。(2018.9-32-2) - 適切。借家人が受け取った立退き料は、原則として一時所得に該当します。
なお、立退料が立ち退くことで消滅する借家権など権利の対価として受け取る性格のものである場合には譲渡所得に、賃借していた家屋で事業を行っており、立ち退くことで発生する収入の減少や経費を補填する性格のものである場合には事業所得となります。借家人が賃貸借の目的とされている居宅の立退きに際して受け取る立退き料(借家権の消滅の対価の額に相当する部分の金額を除く)は、原則として一時所得に該当する。(2024.5-32-3)借家人が賃貸借の目的とされている居宅の立退きに際し受ける立退き料(借家権の消滅の対価の額に相当する部分の金額を除く)は、原則として一時所得に該当する。(2021.9-33-3)
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