FP2級過去問題 2024年5月学科試験 問44
問44
借地借家法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、本問においては、借地借家法第38条における定期建物賃貸借契約を定期借家契約といい、それ以外の建物賃貸借契約を普通借家契約という。また、特約については考慮しないものとする。- 普通借家契約において、存続期間を1年未満とする建物の賃貸借は、期間の定めがない建物の賃貸借とみなされる。
- 普通借家契約において、建物の賃貸人による建物の賃貸借の解約の申入れは、賃貸人および賃借人が建物の使用を必要とする事情や建物の利用状況などを考慮して、正当の事由があると認められる場合でなければすることができない。
- 定期借家契約は、建物の賃借人が建物の全部または一部を事業の用に供することを目的とする場合、公正証書によってしなければならない。
- 定期借家契約は、契約の更新がなく、期間の満了により建物の賃貸借が終了するが、契約の当事者間における合意があれば、定期借家契約を再契約することができる。
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正解 3
問題難易度
肢18.5%
肢221.0%
肢357.4%
肢413.1%
肢221.0%
肢357.4%
肢413.1%
分野
科目:E.不動産細目:2.不動産の取引
解説
- 適切。普通借家契約の存続期間は、1年以上(上限なし)です。1年未満の存続期間の定めは無効となり、期間の定めがない契約とみなされます。普通借家契約において存続期間を6ヵ月と定めた場合、その存続期間は1年とみなされる。(2023.9-45-1)普通借家契約において、存続期間を3ヵ月と定めた場合、期間の定めがない建物の賃貸借とみなされる。(2023.1-45-1)普通借家契約において存続期間を1年未満に定めた場合、その存続期間は1年とみなされる。(2022.9-44-1)普通借家契約において、存続期間を10ヵ月と定めた場合、期間の定めがない建物の賃貸借とみなされる。(2021.9-44-1)普通借家契約において存続期間を6ヵ月と定めた場合、その存続期間は1年とみなされる。(2021.1-44-1)普通借家契約において存続期間を10ヵ月と定めた場合、期間の定めのない建物の賃貸借とみなされる。(2018.9-44-2)普通借家契約において存続期間を10ヵ月と定めた場合であっても、その存続期間は1年とみなされる。(2017.1-45-2)普通借家契約では、賃貸人と賃借人の合意により、賃貸借期間を1年未満とした場合でも、賃貸借期間は1年とみなされる。(2016.9-44-1)定期借家契約では、1年未満の賃貸借期間を定めることができる。(2014.5-43-4)定期借家契約においては、建物賃貸借の期間を1年未満と定めた場合でも、期間の定めのない建物の賃貸借とみなされることはない。(2013.9-44-4)賃貸借期間を1年未満とする普通借家契約は、期間の定めがない建物の賃貸借とみなされる。(2013.1-44-2)
- 適切。期間の定めのない普通借家契約では、貸主・借主の双方からいつでも解約の申入れをすることができます。貸主から解約申入れをする場合には正当事由が必要で、申入れから6か月後に終了します。他方、借主からの申入れの場合には正当事由は不要で申入れから3か月後に終了するという違いがあります。
- [不適切]。定期借家契約は、書面または電磁的記録によって契約する必要があります。これは居住用でも事業用でも同じで、公正証書に限定されているわけではありません。公正証書での契約が要件となるのは事業用定期借地権等です。定期借家契約は、もっぱら居住の用に供する建物に限られ、事業の用に供する建物については締結することができない。(2022.9-44-3)定期借家契約は、もっぱら居住の用に供する建物に限られ、事業の用に供する建物については締結することができない。(2020.9-45-2)
- 適切。定期借家契約は、更新がないタイプの借家契約なので、存続期間が満了するとそのまま終了します。ただし、契約終了後、当事者双方の合意により再契約することは可能です。
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