FP2級過去問題 2025年1月学科試験 問37

問37

法人税の損金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 法人が納付した法人税の本税の額は、損金の額に算入することができない。
  2. 法人が従業員の業務遂行中の交通違反に係る反則金を負担した場合、その負担金は、損金の額に算入することができる。
  3. 法人が納付した法人事業税の本税の額は、損金の額に算入することができる。
  4. 法人が減価償却費として損金経理した金額のうち、償却限度額に達するまでの金額は、その全額を損金の額に算入することができる。

正解 2

問題難易度
肢17.2%
肢270.9%
肢312.0%
肢49.9%

解説

  1. 適切。法人税・法人住民税の本税は、所得を得たことに対して課される税であって、所得を得るために要した原価・費用・損失のいずれにも当たりません。このため、所得を計算する際の損金にはなりません。
    法人が納付した法人税の本税および法人住民税の本税は、その全額を損金の額に算入することができる。2024.9-37-4
    法人が納付した法人税の本税および法人住民税の本税の額は、損金の額に算入することができない。2024.5-37-2
    法人が納付した法人税の本税の額は、損金の額に算入することができない。2023.5-37-1
    法人が納付した法人住民税の本税の額は、損金の額に算入することができる。2023.5-37-2
    法人が納付した法人事業税の本税の額は、損金の額に算入することができる。2023.5-37-3
    法人が納付した法人税の本税および法人住民税の本税は、その全額を損金の額に算入することができる。2022.9-37-2
    法人が法人税および法人住民税を納付した場合、その全額を損金の額に算入することができる。2022.5-37-1
    法人が納付した法人税の本税および法人住民税の本税は、その全額を損金の額に算入することができる。2020.1-37-1
    法人が納付した印紙税は、その事業年度において全額を損金の額に算入される。2013.1-39-4
  2. [不適切]。懲罰的な意味合いの租税公課(延滞税、過滞税、罰金など)は損金に算入できません。ペナルティとして支払うものを費用扱いにしてしまっては、悪い行為に対する制裁の効果が薄れてしまうためです。
    法人が従業員の業務遂行中の交通違反に係る反則金を負担した場合、その負担金は、損金の額に算入することができる。2023.9-37-1
    法人が負担した従業員の業務中の交通違反に対して課された交通反則金の額は、損金の額に算入することができない。2023.5-37-4
  3. 適切。法人事業税は、その全額を申告書を提出した事業年度の損金の額に算入することができます。事業で公共サービスや公共施設を利用していることに対する課税なので、所得を生むための費用として認められています。
  4. 適切。企業会計上は、費用収益対応の原則に従って法人ごとにどのような方法で減価償却を行っても自由です。しかし、税法上の損金や経費にできるのは、法人が減価償却費として計上した額のうち法定の償却限度額までの金額に限られます。償却限度額を超える部分の金額は損金不算入となります。
    法人が減価償却費として損金経理した金額は、その金額の多寡にかかわらず、その全額を損金の額に算入することができる。2024.9-37-1
    法人が減価償却資産として損金経理した金額のうち、償却限度額に達するまでの金額は、その全額を損金の額に算入することができる。2023.9-37-2
    法人が減価償却費として損金経理した金額のうち、償却限度額に達するまでの金額は、その事業年度の損金の額に算入することができる。2022.9-37-3
    法人が減価償却費として損金経理した金額のうち、償却限度額に達するまでの金額は、その全額を損金の額に算入することができる。2022.5-37-4
    法人が減価償却費として損金経理した金額のうち、償却限度額を超える部分の金額は、その事業年度の損金の額に算入することができる。2020.1-37-4
    法人が、減価償却費として損金経理した金額のうち償却限度額を超える部分の金額については、その全額を損金の額に算入することができる。2015.9-39-1
したがって不適切な記述は[2]です。