生命保険(全154問中45問目)

No.45

生命保険の税金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、いずれも契約者(=保険料負担者)および保険金・給付金等の受取人は個人であるものとする。
2021年9月試験 問14
  1. 契約者および保険金受取人が夫、被保険者が妻である終身保険において、妻が死亡して夫が受け取る死亡保険金は、相続税の課税対象となる。
  2. 契約者が夫、被保険者および年金受取人が妻である個人年金保険において、妻が受け取る年金の年金受給権は、年金支払開始時に夫から妻への贈与とみなされ、贈与税の課税対象となる。
  3. 契約者、被保険者および年金受取人が同一人である個人年金保険(保証期間付終身年金)において、保証期間内に被保険者が死亡し、残りの保証期間について相続人が受け取る年金の年金受給権は、相続税の課税対象となる。
  4. 契約から5年を超えた一時払変額個人年金保険(10年確定年金)を解約して契約者が受け取った解約返戻金は、一時所得として所得税(総合課税)の課税対象となる。

正解 1

問題難易度
肢175.9%
肢211.6%
肢36.6%
肢45.9%

解説

  1. [不適切]。相続税ではありません。生命保険の死亡保険金に係る課税関係は以下のようになっています。契約者=保険金受取人である場合には、その死亡保険金は一時所得として所得税の課税対象となります。
    2/330.png/image-size:528×154
    契約者および死亡保険金受取人が夫、被保険者が妻である終身保険において、妻が死亡して夫が受け取った死亡保険金は、相続税の課税対象となる。2024.9-14-3
    契約者と保険金受取人が同一人であり、被保険者が異なる終身保険において、被保険者が死亡して保険金受取人が受け取る死亡保険金は、相続税の課税対象となる。2020.9-14-1
    契約者と死亡保険金受取人が同一人であり被保険者が異なる終身保険において、被保険者の死亡により一時金で受け取る死亡保険金は、一時所得として課税対象となる。2019.1-15-3
    死亡保険金受取人が子である終身保険の場合、父が受け取った解約返戻金は、所得税の課税対象となる。2015.9-14-3
    契約者(=保険料負担者)と被保険者が同一人である終身保険から被保険者の相続人でない者が受け取った死亡保険金は、遺贈により取得したものとみなされ、相続税の課税対象となる。2014.5-13-2
  2. 適切。契約者と年金受取人が異なる個人年金保険において、年金受取人が年金受給権を取得したということは、年金受取人は保険料の負担なしに年金受給権を得たことになります。このため、契約者より贈与を受けたこととされ、年金受取人が取得した年金受給権は贈与税の課税対象となります。
    2/340.png/image-size:459×188
    契約者が夫、年金受取人が妻である個人年金保険において、妻が受け取る年金の年金受給権は、年金支払開始時に妻が贈与により取得したものとみなされ、贈与税の課税対象となる。2024.9-14-4
    契約者と年金受取人が異なる個人年金保険において、年金支払開始時に年金受取人が取得した年金受給権は、贈与税の課税対象となる。2021.5-13-2
    契約者と年金受取人が異なる個人年金保険において、年金支払開始時に年金受取人が取得した年金受給権は、贈与税の課税対象となる。2021.3-15-3
    契約者と年金受取人が異なる個人年金保険では、年金受取人は年金支払開始時に年金受給権を取得したものとみなされ、年金受給権は贈与税の課税対象となる。2019.9-14-1
    契約者と年金受取人が異なる個人年金保険契約では、年金受取人は年金支払開始時に年金受給権を取得したものとみなされ、当該受給権については贈与税の課税対象となる。2016.5-14-3
  3. 適切。保証期間付終身年金は、保証期間中は被保険者の生死にかかわらず、保証期間後は被保険者が生存している限り年金が受け取れるものです。契約者・被保険者・年金受取人が同じである場合、保証期間中に被保険者が死亡すると、遺族が受給権を相続し、保証期間満了まで年金を受け取ることになります。そのため、残りの保証期間分の年金受給権は相続税の課税対象となります。
    契約者と被保険者が異なる個人年金保険(保証期間付終身年金)において、年金受取開始前に被保険者が死亡して契約者が受け取った死亡給付金は、一時所得として所得税の課税対象となる。2024.5-14-4
    個人年金保険(保証期間付終身年金)において、保証期間中に年金受取人が死亡して遺族が取得した残りの保証期間の年金受給権は、雑所得として所得税の課税対象となる。2024.1-14-4
    契約者、被保険者および年金受取人が同一人である個人年金保険(保証期間付終身年金)において、保証期間内に被保険者が死亡し、残りの保証期間について相続人等が受け取る年金の年金受給権は、相続税の課税対象となる。2023.1-15-3
    契約者と年金受取人が同一人である個人年金保険(保証期間付終身年金)において、保証期間中に年金受取人が死亡して遺族が取得した残りの保証期間の年金受給権は、一時所得として所得税の課税対象となる。2021.5-13-3
    契約者、被保険者および年金受取人が同一人である個人年金保険(保証期間付終身年金)において、保証期間内に被保険者が死亡し、残りの保証期間について相続人等が受け取る年金の年金受給権は、相続税の課税対象となる。2020.9-14-4
    契約者と被保険者が異なる個人年金保険では、被保険者が死亡して死亡給付金が法定相続人である契約者に支払われた場合、死亡給付金は一時所得として所得税の課税対象となる。2019.9-14-2
  4. 適切。一時払いの(変額)個人年金保険・一時払いの(変額)養老保険から受け取った解約返戻金や満期保険金は、契約から解約までの期間によって課税関係が変わります。
    契約から5年以内の支払い
    金融類似商品として扱われ、利子所得として20.315%の源泉分離課税となる
    契約から5年超を経過後の支払い
    一時所得として総合課税の対象となる
    本肢の解約返戻金は契約から5年を超えてから受け取ったものなので、一時所得として所得税(総合課税)の課税対象となります。
    契約から5年を超えた一時払変額個人年金保険(10年確定年金)を解約して契約者が受け取った解約返戻金は、一時所得として所得税(総合課税)の課税対象となる。2024.9-14-2
    契約から10年を経過した一時払養老保険を解約して契約者が受け取る解約返戻金は、所得税において総合課税の対象となる。2023.9-16-4
    契約日から10年経過した個人年金保険を解約して契約者が受け取った解約返戻金は、一時所得として所得税の課税対象となる。2021.3-15-1
したがって不適切な記述は[1]です。