相続と法律(全76問中2問目)

No.2

遺産の分割に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
2024年9月試験 問55
  1. 被相続人は、遺言で、相続開始の時から5年を超えない期間を定めて、遺産の分割を禁ずることができる。
  2. 共同相続人は、一定の場合を除き、遺産の全部ではなく一部の分割内容のみを定めた遺産分割協議書を作成することができる。
  3. 遺産の分割について、共同相続人間で協議が調わないとき、または協議をすることができないときは、原則として、各共同相続人はその分割を家庭裁判所に請求することができる。
  4. 遺産分割協議書は、公正証書によって作成しなければならない。

正解 4

問題難易度
肢110.5%
肢26.3%
肢35.6%
肢477.6%

解説

  1. 適切。遺産の分割は、原則として相続が開始した後は自由にできますが、被相続人は、遺言によって、相続開始の時から5年を超えない期間を定めて遺産の分割を禁じることができます。
    被相続人は、遺言によって、相続開始の時から5年を超えない期間を定めて、遺産の分割を禁ずることができる。2023.1-55-4
    被相続人は、遺言で、相続開始の時から1年間に限り、遺産の分割を禁ずることができる。2022.9-53-3
    被相続人は、遺言によって、相続開始の時から10年間、遺産の分割を禁ずることができる。2020.1-56-4
    被相続人は、遺言によって、相続開始の時から5年を超えない期間を定めて、遺産の分割を禁ずることができる。2019.5-54-1
    被相続人は、遺言によって、相続開始の時から10年間、遺産の分割を禁ずることができる。2017.9-54-1
    被相続人は、遺言により、相続開始の時から5年を超えない期間を定めて、遺産の分割を禁ずることができる。2016.1-55-1
    被相続人は、遺言で、相続開始の時から5年を超えない期間を定めて、遺産の分割を禁ずることができる。2015.10-54-1
  2. 適切。共同相続人は、いつでも遺産の全部または一部を分割することができます。遺産分割が2回以上に分かれるときなどは、遺産の一部だけに関する遺産分割協議書を作成することも可能です。
    共同相続人は、一定の場合を除き、遺産の全部ではなく一部の分割内容のみを定めた遺産分割協議書を作成することができる。2023.5-53-1
  3. 適切。遺産の分割について、共同相続人の間で協議が調わない場合には、家庭裁判所の調停※1(または審判※2)により分割する方法があります。
    ※1客観的な立場の調停委員に間に入ってもらい、当事者である相続人同士が、裁判所で話し合う手続きのこと
    ※2裁判官が諸般の事情を考慮して、遺産分割の方法を決定する手続きのこと
    遺産の分割について、共同相続人間で協議が調わないとき、または協議をすることができないときは、各共同相続人はその分割を公証人に請求することができる。2022.9-53-2
    遺産の分割について、共同相続人間で協議が調わないとき、または協議をすることができないときは、原則として、各共同相続人はその分割を家庭裁判所に請求することができる。2021.1-54-3
    遺産の分割について、共同相続人間で協議が調わないとき、または協議をすることができないときは、各共同相続人は、その分割を家庭裁判所に請求することができる。2019.5-54-3
    遺産の分割について、共同相続人の間で協議が調わない場合には、各共同相続人は家庭裁判所に遺産分割の調停または審判を申し立てることができる。2019.1-56-1
    遺産の分割について、共同相続人間で協議が調わないとき、または協議をすることができないときは、各共同相続人は、その分割を家庭裁判所に請求することができる。2017.9-54-3
    遺産の分割について、共同相続人の間で協議が調わない場合、各共同相続人は家庭裁判所に遺産分割の調停を申し立てることができる。2015.5-55-4
    遺産の分割について、共同相続人の間で協議が調わない場合、各共同相続人は家庭裁判所に遺産分割の調停を申し立てることができる。2014.5-54-2
  4. [不適切]。遺産分割協議書の形式は特に定められていません。インターネット上では遺産分割協議書ひな型がたくさん配布されているため、個人で作成することも可能です。
    遺産分割協議書の形式は、法律によって特に定められていないため、公正証書以外の書面によっても作成することができる。2021.1-54-2
したがって不適切な記述は[4]です。