FP2級過去問題 2017年1月学科試験 問27

問27

ポートフォリオ理論等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 異なる2資産からなるポートフォリオにおいて、2資産間の相関係数が1となる場合、ポートフォリオを組成することによる分散投資の効果(リスクの低減)は最大となる。
  2. A資産の期待収益率が2.5%、B資産の期待収益率が6.0%の場合、A資産を40%、B資産を60%の割合で組み入れたポートフォリオの期待収益率は4.6%となる。
  3. シャープレシオは、ポートフォリオ全体の収益率から無リスク資産収益率を減じたものを、ポートフォリオ全体のリスク(標準偏差)で除すことにより求められる。
  4. システマティック・リスクは、ポートフォリオの組入れ銘柄数を増やしても低減しない

正解 1

問題難易度
肢182.3%
肢26.0%
肢36.0%
肢45.7%

解説

  1. [不適切]。2つの資産間の値動きの関連性を数値化したものを相関係数といい、1から-1までの数値で表します。相関係数が1の場合は、2つの資産が同じ方向に値動きしてリスク低減効果はゼロということになります。
  2. 適切。ポートフォリオの期待収益率は、以下のように各資産の期待収益率を組入比率で加重平均した値になります。

     A資産(2.5%×0.4)+B資産(6.0%×0.6)
    =1%+3.6%=4.6%

    よって記述は適切です。
  3. 適切。シャープレシオとは、リスクをとったことによりどれだけ効率よく収益を上げられたかをみる指標であり、数値が大きいほど効率よく収益を上げられたと評価できます。シャープレシオの計算式は以下の通りです。

     収益率-無リスク資産利子率標準偏差

  4. 適切。システマティック・リスクとは、市場全体の動きの影響を受けるリスクのことで、分散投資しても軽減することができません。
したがって不適切な記述は[1]です。