FP2級過去問題 2015年9月学科試験 問27

問27

ポートフォリオ理論等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. ポートフォリオの期待収益率は、ポートフォリオに組み入れた各資産の期待収益率を組入比率で加重平均して得た値となる。
  2. システマティック・リスクは、市場全体のリスクの影響を受けるリスクであり、分散投資によっても軽減することができないとされている。
  3. 異なる2資産からなるポートフォリオにおいて、2資産間の相関係数が0(ゼロ)の場合、ポートフォリオを組成することによる分散投資効果は得られない。
  4. 同一期間の収益率が同じ2つのファンドをシャープレシオで比較した場合、収益率の標準偏差の値が小さいファンドの方が効率よく運用されていたと評価することができる。

正解 3

問題難易度
肢15.9%
肢214.9%
肢351.9%
肢427.3%

解説

  1. 適切。ポートフォリオの期待収益率は、組み入れた各資産の期待収益率を組入比率で加重平均した値となります。加重平均とは、値ごとに割合を重み付けして平均する方法です。
    たとえば、A資産(期待収益率2.5%)を40%、B資産(期待収益率6.0%)を60%の割合で保有しているとします。40%・60%が組入比率です。このとき、ポートフォリオの期待収益率は以下のように計算します。
    • A資産 2.5%×0.4=1%
    • B資産 6.0%×0.6=3.6%
    • 加重平均した値 1%+3.6%=4.6%
    ポートフォリオの期待収益率は、組み入れた各資産の期待収益率を組入比率で加重平均した値よりも大きくなる。2023.9-28-3
    ポートフォリオの期待収益率は、組み入れた各資産の期待収益率を組入比率で加重平均した値となる。2022.5-28-3
    ポートフォリオの期待収益率は、組み入れた各資産の期待収益率を単純平均した値となる。2022.1-27-4
    ポートフォリオの期待収益率は、ポートフォリオに組み入れた各資産の期待収益率を組入比率で加重平均した値となる。2021.3-29-1
    ポートフォリオの期待収益率は、組み入れた各資産の期待収益率を組入比率で加重平均した値となる。2021.1-27-3
    ポートフォリオの期待収益率は、組み入れた各資産の期待収益率を組入比率で加重平均した値よりも大きくなる。2020.1-27-4
    ポートフォリオの期待収益率は、ポートフォリオに組み入れた各資産の期待収益率を組入比率で加重平均した値となる。2018.5-28-1
    ポートフォリオの期待収益率は、ポートフォリオに組み入れた各資産の期待収益率を組入比率で加重平均した値となる。2016.5-29-1
    ポートフォリオの期待収益率は、ポートフォリオに組み入れた各資産の期待収益率を組入比率で加重平均して得た値となる。2015.1-27-1
  2. 適切。システマティック・リスクとは市場全体の動きの影響を受けるリスクで、分散投資によっても軽減することはできません。これに対して、分散投資をすることによって低減できるリスクはアン・システマティック・リスクといいます。
    システマティック・リスクは、市場全体の変動の影響を受けるリスクであり、分散投資によっても消去しきれないリスクとされている。2024.1-27-1
  3. [不適切]。分散投資のリスク軽減効果は、2資産間の相関係数が-1のときに最大となり、1のときに"なし"になります。相関係数が0(ゼロ)の場合でも多少のリスク軽減効果は得られます。
    27.png./image-size:380×146
    異なる2資産からなるポートフォリオにおいて、2資産間の相関係数が-1である場合、ポートフォリオを組成することによる分散投資の効果(リスクの低減)は得られない。2024.1-27-3
    異なる2資産からなるポートフォリオにおいて、2資産間の相関係数がゼロである場合、ポートフォリオを組成することによる分散投資の効果(リスクの低減効果)は生じない。2022.5-28-2
    異なる2資産からなるポートフォリオにおいて、2資産間の相関係数が-1の場合、ポートフォリオを組成することによる分散投資の効果(リスクの軽減)は得られない。2021.3-29-2
    異なる2資産からなるポートフォリオにおいて、2資産間の相関係数が-1である場合、ポートフォリオを組成することによる分散投資の効果(リスクの低減)は得られない。2021.1-27-2
    異なる2資産からなるポートフォリオにおいて、2資産間の相関係数が1である場合、ポートフォリオを組成することによる分散投資の効果(リスクの低減効果)は最大となる。2020.1-27-2
    異なる2資産からなるポートフォリオにおいて、2資産間の相関係数が-1となる場合、ポートフォリオを組成することによる分散投資の効果(リスクの低減)は得られない。2018.5-28-4
    異なる2資産からなるポートフォリオにおいて、2資産間の相関係数が1となる場合、ポートフォリオを組成することによる分散投資の効果(リスクの低減)は最大となる。2017.1-27-1
    異なる2資産からなるポートフォリオにおいて、2資産間の相関係数が-1となる場合、ポートフォリオを組成することによる分散投資の効果(リスクの軽減)は得られない。2016.9-27-2
    異なる2資産からなるポートフォリオにおいて、2資産間の相関係数が-1の場合、ポートフォリオを組成することによる分散投資の効果(リスクの軽減)は得られない。2016.5-29-2
    異なる2資産からなるポートフォリオにおいて、2資産間の相関係数が1となる場合、ポートフォリオを組成することによる分散投資の効果(リスクの軽減)は最大となる。2015.10-28-1
    異なる2資産からなるポートフォリオにおいて、2資産間の相関係数が0(ゼロ)の場合、ポートフォリオ効果は得られず、ポートフォリオのリスクは単純に投資割合で加重平均したものになる。2014.1-29-2
  4. 適切。シャープレシオは、超過収益率を標準偏差で除して算出します。
     シャープレシオ=超過収益率標準偏差
    収益率が同じならば、標準偏差の値の小さい方がシャープレシオは大きい値となり、より効率良く運用できていたと判断されます。
    同一期間における収益率が同じ2つのファンドをシャープ・レシオで比較する場合、収益率の標準偏差の値が小さいファンドの方が、収益率の標準偏差の値が大きいファンドよりも当該期間において効率的に運用されていたと評価することができる。2024.1-27-4
    同一期間の収益率がプラスで、かつその数値が同じである2つのファンドをシャープレシオで比較した場合、収益率の標準偏差の値が小さいファンドの方が効率よく運用されていたと評価することができる。2021.3-29-3
    同一期間の収益率が同じ2つのファンドをシャープレシオで比較した場合、収益率の標準偏差の値が小さいファンドの方が、取ったリスクに対して効率的に運用されていたと評価することができる。2015.10-28-4
    同一期間の収益率が同じ2つのファンドをシャープレシオで比較した場合、収益率の標準偏差の値が小さいファンドの方が効率よく運用されていたと評価することができる。2015.1-27-4
    標準偏差は異なるが収益率が同じ2つのファンドをシャープレシオで比較した場合、標準偏差の値が大きいファンドの方が効率よく運用されていたと評価することができる。2014.1-29-4
したがって不適切な記述は[3]です。