FP2級過去問題 2018年1月学科試験 問44(改題)

問44

借地借家法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、本問においては、同法第22条の借地権を一般定期借地権といい、同法第22条から第24条の定期借地権等以外の借地権を普通借地権という。
  1. 普通借地権の存続期間は、借地権者と借地権設定者の合意により、30年より長い期間を定めることができる。
  2. 普通借地権の存続期間が満了した場合において、契約の更新がないときは、借地権者は、借地権設定者に対し、建物その他借地権者が権原により土地に附属させた物を時価で買い取るべきことを請求することができる。
  3. 一般定期借地権においては、専ら居住の用に供する建物の所有を目的とするときは、その存続期間を10年以上30年未満として設定することができる。
  4. 一般定期借地権においては、契約の更新および建物の築造による存続期間の延長がなく、買取りの請求をしないこととする旨を定めることができるが、その特約は公正証書による等書面(電磁的記録による場合を含む)によってしなければならない。

正解 3

問題難易度
肢112.8%
肢211.4%
肢349.4%
肢426.4%

解説

  1. 適切。普通借地権の当初の存続期間は30年以上とされています。よって、当事者間の合意があれば30年を超える期間を定めることができます。
    普通借地権の設定当初の存続期間は、借地権者と借地権設定者との合意にかかわらず、30年を超えて定めることができない。2017.5-44-1
    普通借地権では、借地権者と借地権設定者との契約により、存続期間を70年と定めることができる。2015.9-43-1
    普通借地権では、借地権者と借地権設定者との契約により、存続期間を20年と定めることができる。2015.5-44-1
    一般定期借地権では、存続期間中に借地人の建物が火災で滅失し、借地人が建物を再築したとしても、存続期間は延長されない。2015.1-43-1
  2. 適切。普通借地権の存続期間が満了して契約の更新がないとき、借地権者は借地権設定者に対して、借地上の建物を時価で買い取るべきことを請求できます。これを建物買取請求権といいます。
    普通借地権の存続期間が満了する場合において、借地権者が契約の更新を請求し、借地権設定者に更新を拒絶する正当の事由がないときは、借地上に建物があるかどうかにかかわらず、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなされる。2024.9-43-2
    普通借地権の存続期間が満了する場合において、借地権者が契約の更新を請求し、借地権設定者が遅滞なく異議を述べなかったときは、借地上に建物があるかどうかにかかわらず、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなされる。2024.5-43-2
    普通借地権の存続期間が満了した時点で借地上に建物が存在しない場合は、借地権者が契約の更新を請求しても、従前の契約と同一の条件で契約が更新されたものとはみなされない。2023.9-44-2
    普通借地権の存続期間が満了する場合において、借地権者が契約の更新を請求し、借地権設定者に更新を拒絶する正当の事由がないときは、借地上に建物があるかどうかにかかわらず、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなされる。2023.5-44-4
    普通借地権の存続期間が満了した時点で借地上に建物が存在しない場合、借地権者が借地権設定者に契約の更新を請求したときは、従前の契約と同一の条件で契約は更新されたものとみなす。2022.5-44-2
    普通借地権の当初の存続期間が満了する場合、借地上に建物が存在しなくても、借地権者が借地権設定者に契約の更新を請求したときは、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなされる。2021.1-43-2
    普通借地権の当初の存続期間が満了する場合、借地上に建物が存在しなくても、借地権者が借地権設定者に契約の更新を請求したときは、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなされる。2020.1-43-2
    普通借地権の当初の存続期間が満了する場合において、借地権者が借地権設定者に契約の更新を請求したときは、借地上に建物が存在しなくても、従前の契約と同一条件で契約を更新したものとみなされる。2019.5-44-2
    普通借地権の存続期間が満了する場合において、借地権者が契約の更新を請求したときは、借地上に建物がある場合に限り、借地権設定者が遅滞なく異議を述べたときを除いて、従前の契約と同一の条件(更新後の期間を除く)で契約を更新したものとみなす。2019.1-43-2
    普通借地権の存続期間満了に伴い、借地権者が借地権設定者に契約の更新を請求したときは、その土地の上に建物が存在しなくても、従前の契約と同一条件で契約を更新したものとみなされる。2018.5-44-1
    普通借地権の存続期間が満了する場合において、借地権者が契約を請求したときは、借地上に建物がない場合でも、従前の契約と同一の条件を更新したものとみなされる。2017.9-43-2
    普通借地権の存続期間が満了した場合において、契約の更新がないときは、借地権者は借地権設定者に対し、建物を建築費で買い取るよう請求することができる。2017.5-44-4
    普通借地権の存続期間が満了する場合において、借地権者が契約の更新を請求したときは、借地上に建物がない場合でも、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなされる。2016.1-43-3
    普通借地権の存続期間が満了した場合において、契約の更新がないときは、借地権者は、借地権設定者に対し、借地上の建物を時価で買い取るべきことを請求することができる。2016.1-43-4
    普通借地権の存続期間が満了する場合、借地権者が借地権設定者に契約の更新を請求したときは、当該土地上に建物がなくても、従前の契約と同一の条件で契約は更新されたものとみなされる。2015.5-44-2
    普通借地権の存続期間は、借地権者と借地権設定者との契約により、30年を超えて定めることができる。2014.1-45-1
    普通借地権の存続期間が満了する場合、借地権者が借地権設定者に契約の更新を請求したときは、当該土地上に建物が存在しなくても、従前の契約と同一の条件で契約は更新されたものとみなされる。2014.1-45-2
    普通借地権の存続期間が満了する場合で契約の更新がないときは、借地権者は借地権設定者に対して、借地権の目的である土地上の建物等を時価で買い取るべきことを請求することができる。2014.1-45-3
    普通借地権の存続期間満了に伴い、借地権者が借地権設定者に契約の更新を請求したときは、その土地の上に建物が存在しなくても、従前の契約と同一条件で契約を更新することができる。2013.5-43-1
    普通借地権の存続期間が満了する場合、借地権者が契約の更新を請求したときは、建物がある場合に限り、原則として、従前の契約と同一条件(更新後の期間を除く)で契約を更新したものとみなされる。2013.1-43-2
  3. [不適切]。10年以上30年未満ではありません。一般定期借地権は、存続期間を50年以上として設定しなければなりません。
    一般定期借地権において、もっぱら事業の用に供する建物の所有を目的とするときは、存続期間を30年として設定することができる。2021.9-43-3
    普通借地権の当初の存続期間は原則として30年以上とされているが、居住の用に供する建物の所有を目的とするときは、その存続期間を20年とすることができる。2021.1-43-1
    一般定期借地権において、もっぱら居住の用に供する建物の所有を目的とするときは、存続期間を30年として設定することができる。2020.1-43-3
    事業用定期借地権等においては、一部を居住の用に供する建物の所有を目的とするときは、その存続期間を10年以上30年未満として設定することができる。2019.5-44-3
    存続期間を50年以上とする一般定期借地権は、居住用と事業用のいずれの建物の所有を目的とする場合でも設定することができる。2015.10-43-4
    一般定期借地権は、専ら居住の用に供する建物の所有を目的とするもので、事業の用に供する建物の所有を目的として設定することはできない。2014.5-42-1
    事業用定期借地権等は、専ら事業の用に供する建物の所有を目的とするもので、居住の用に供する建物の所有を目的として設定することはできない。2014.5-42-3
    存続期間を50年以上とする一般定期借地権は、居住用と事業用のいずれの建物の所有を目的とする場合でも設定することができる。2013.5-43-3
  4. 適切。一般定期借地権を設定する特約は、公正証書などの書面または電磁的記録でしなければなりません。「公正証書による等書面」というのは条文上の表現なのでわかりにくいですが、おすすめは公正証書ですけど書面であればOKという意味です。
    一般定期借地権において、契約の更新および建物の築造による存続期間の延長がなく、建物等の買取りの請求をしないこととする旨を定める特約は、公正証書による等書面(電磁的記録による場合を含む)によってしなければならない。2024.5-43-4
    一般定期借地権の設定契約は、公正証書による等書面(電磁的記録による場合を含む)によってしなければならない。2023.9-44-4
    一般定期借地権の設定契約を公正証書等の書面(電磁的記録による場合を含む)で行う場合は、その存続期間を30年とすることができる。2023.1-44-3
    普通借地権の設定契約は、公正証書による等書面(電磁的記録による場合を含む)によってしなければならない。2021.9-43-1
    一般定期借地権において、契約の更新および建物の築造による存続期間の延長がなく、建物等の買取りの請求をしないこととする旨を定める特約は、公正証書による等書面(電磁的記録による場合を含む)によってしなければならない。2021.1-43-3
    一般定期借地権において、契約の更新および建物の築造による存続期間の延長がなく、建物等の買取りの請求をしないこととする旨を定める特約は、公正証書による等書面(電磁的記録による場合を含む)によってしなければならない。2020.1-43-4
    一般定期借地権において、契約の更新がないこととする旨の特約等は、公正証書による等書面(電磁的記録による場合を含む)で定めなければならない。2015.9-43-3
    存続期間を50年以上とする一般定期借地権において、契約の更新がない等の特約は、公正証書による等書面(電磁的記録による場合を含む)で定めなければならない。2013.5-43-4
したがって不適切な記述は[3]です。