FP2級過去問題 2025年5月学科試験 問3

問3

労働者災害補償保険に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 労働者災害補償保険の適用を受ける労働者には、雇用形態がアルバイトやパートタイマーである者も含まれる。
  2. 労働者災害補償保険の保険料の算定に用いられる労災保険率は、事業の規模によって災害の発生率が異なることから、適用事業に従事する労働者数に応じて定められている。
  3. 労働者の業務上の傷病が治癒したときに、身体に一定の障害が残り、その障害の程度が所定の障害等級に該当する場合、障害補償給付が支給される。
  4. 業務災害により労働者が死亡した場合、対象となる遺族に対し、遺族補償給付として遺族補償年金または遺族補償一時金が支給される。

正解 2

問題難易度
肢11.4%
肢277.5%
肢36.7%
肢414.4%

解説

  1. 適切。労災保険の適用を受ける労働者は、事業主に使用され、賃金の支払いを受ける人全員です。したがって、パートタイマー、アルバイト、在宅労働者、日雇労働者といった雇用形態の違いや労働時間の長短にかかわらず、事業主と雇用関係にあるすべての者に適用されます。
    労働者災害補償保険の適用を受ける労働者には、雇用形態がアルバイトやパートタイマーである者も含まれる。2023.5-3-1
    労災保険の適用を受ける労働者には、雇用形態がアルバイトやパートタイマーである者は含まれるが、日雇労働者や外国人労働者は含まれない。2023.1-4-2
    労災保険の適用を受ける労働者には、雇用形態がアルバイトやパートタイマーである者は含まれない。2021.9-3-1
    労災保険の適用を受ける労働者には、雇用形態がアルバイトやパートタイマーである者は含まれない。2016.9-2-1
  2. [不適切]。労災保険率は、労働災害リスクを考慮し、事業の種類(54業種)ごとに定められています。常時使用する従業員数ではありません。なお、労災保険率は、原則3年ごとに改定されます。
    労働者災害補償保険の保険料は、企業の規模によって災害の発生率が異なることから、企業の従業員数に応じた労災保険率が定められている。2014.9-5-1
  3. 適切。障害補償給付は、負傷や疾病が治癒したときに身体に一定の障害が残り、その障害の程度が労災保険の障害等級に該当する場合に支給されます。障害等級は第1級から第14級まであり、1~7級までは年金、8~14級までは一時金です。
    労働者が業務上の負傷または疾病が治癒したときに障害が残り、その障害の程度が所定の障害等級に該当するときは、障害補償年金または障害補償一時金のいずれかを選択して受給することができる。2024.9-4-4
    労働者が業務上の負傷または疾病が治癒したときに一定の障害が残り、その障害の程度が所定の障害等級に該当するときは、障害補償年金または障害補償一時金のいずれかを選択して受給することができる。2022.5-3-4
    業務上の負傷または疾病が治癒したときに身体に一定の障害が残り、その障害の程度が労働者災害補償保険法に規定する障害等級に該当する場合、障害補償給付が受けられる。2021.9-3-2
    業務上の傷病が治癒し、身体に一定の障害が残った場合、その障害の程度が労働者災害補償保険法に規定する障害等級に該当するときは、障害補償給付が支給される。2017.1-4-3
    労働者の業務上の負傷または疾病が治癒し、身体等に一定の障害が残った場合に、その障害の程度が労働者災害補償保険法で規定する障害等級に該当するときは、障害補償給付が支給される。2016.1-3-3
    労働者の業務上の負傷または疾病が治癒したとき、身体に一定の障害が残り、その障害の程度が労災保険の障害等級に該当する場合、障害補償給付が支給される。2014.1-4-3
  4. 適切。労働災害で労働者が死亡した場合、対象となる遺族に対し、遺族補償給付(遺族補償年金・遺族補償一時金)が支給されます。
    遺族補償年金は、被災労働者に生計を維持していた一定の「配偶者・子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹」がいる場合に最先順位の者に支給されます。遺族補償一時金は、遺族補償年金の受給資格者がいない場合などに支給されるものです。
    業務災害により労働者が死亡した場合、対象となる遺族に対し、遺族補償給付として遺族補償年金または遺族補償一時金が支給される。2023.1-4-3
したがって不適切な記述は[2]です。