FP2級過去問題 2022年5月学科試験 問41

問41

不動産の登記や調査に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 不動産の登記記録において、土地の所有者とその土地上の建物の所有者が異なる場合、その土地の登記記録に借地権の登記がなくても、借地権が設定されていることがある。
  2. 不動産の登記事項証明書の交付を請求することができるのは、当該不動産に利害関係を有する者に限られる。
  3. 不動産登記には公信力がないため、登記記録を確認し、その登記記録の内容が真実であると信じて取引しても、その登記記録の内容が真実と異なっていた場合、法的に保護されないことがある。
  4. 公図(旧土地台帳附属地図)は、登記所に備え付けられており、対象とする土地の位置関係を確認する資料として有用である。

正解 2

問題難易度
肢14.4%
肢287.8%
肢34.9%
肢42.9%

解説

  1. 適切。借地権は、登記を経由しなくても、借地上にある借地権者名義の建物を登記することによって対抗要件を備えることができるので、借地権の登記はされないことも多いです。登記記録で土地所有者と建物所有者が異なっている場合には、借地権や法定地上権が成立していることがあります。
    不動産の登記記録において、土地の所有者とその土地上の建物の所有者が異なる場合は、その土地の登記記録に借地権の登記がなくても、借地権が設定されていることがある。2024.9-41-1
    不動産の登記記録において、土地の所有者とその土地上の建物の所有者が異なる場合は、その土地の登記記録に借地権設定の登記がなくても、借地権が設定されていることがある。2021.5-41-1
    不動産の登記記録において、土地の所有者とその土地上の建物の所有者が異なる場合は、その土地の登記記録に借地権設定の登記がなくても、借地権が設定されていることがある。2020.9-41-1
  2. [不適切]。不動産の登記制度は、不動産の権利関係を公示することで取引の安全と円滑を確保することを目的としています。したがって、その記録内容は誰でも閲覧することができますし、登記事項証明書の交付請求も利害関係にかかわらず誰でもすることができます。
    不動産の登記事項証明書の交付を請求することができるのは、当該不動産に利害関係を有する者に限られる。2023.1-42-2
    不動産の登記事項証明書の交付を請求することができるのは、当該不動産の利害関係者に限られる。2022.9-41-4
    不動産の登記事項証明書の交付を請求することができるのは、当該不動産に利害関係を有する者に限られる。2021.9-41-2
    不動産の登記事項証明書の交付を受けることができるのは、その不動産の所有者に限られる。2021.3-41-1
    不動産の登記事項証明書の交付を請求することができるのは、当該不動産に利害関係を有する者に限られる。2021.1-41-2
    不動産の登記事項証明書の交付を請求することができるのは、当該不動産に利害関係を有する者に限られる。2020.1-41-2
    不動産の登記事項証明書の交付を請求することができるのは、当該不動産に利害関係を有する者に限られる。2018.5-41-3
    不動産の登記事項証明書の交付を受けることができる者は、原則として、その不動産の所有者に限られる。2016.1-41-3
    不動産の登記事項証明書の交付を受けることができるのは、その不動産の所有者に限られる。2015.1-41-3
    不動産の登記事項証明書の交付を受けることができるのは、当該不動産の利害関係者に限られる。2013.9-41-3
  3. 適切。日本の不動産登記には、対抗力はありますが公信力はありませんので、登記記録を信用して取引した場合であっても、法的保護が受けられないことがあります。
    対抗力
    自己の権利を第三者に対して主張することができる法的効力
    公信力
    内容が真実に反するものであってもこれを信頼して取引した者は保護され、内容が真実であった場合と同様の権利取得が認められる効力
    不動産登記には公信力がないため、登記記録を確認し、その登記記録の内容が真実であると信じて取引しても、その登記記録の内容が真実と異なっていた場合、法的に保護されないことがある。2024.9-41-2
    不動産登記には公信力があるため、登記記録を確認し、その登記記録の内容が真実であると信じて取引した場合、その登記記録の内容が真実と異なっていても法的な保護を受けることができる。2021.9-41-3
    不動産登記には公信力があるため、登記記録の権利関係が真実であると信じて取引した場合、その登記記録の権利関係が真実と異なっていても法的な保護を受けることができる。2021.3-41-4
    不動産登記には公信力があるため、登記記録を確認し、その登記記録の内容が真実であると信じて取引した場合には、その登記記録の内容が真実と異なっていても法的な保護を受けることができる。2020.9-41-4
    不動産登記には公信力があるため、登記記録の権利関係が真実であると信じて取引した場合には、その登記記録の権利関係が真実と異なっていても法的な保護を受けることができる。2015.1-41-1
    不動産登記には公信力があるため、登記記録の権利関係が真実であると信じて取引した場合には、その登記記録の権利関係が真実と異なっていても法的な保護を受けることができる。2014.5-41-1
    不動産登記には公信力がないため、登記記録の内容を真実であると信じて取引した場合でも、法的に保護されるとは限らない。2013.9-41-4
    不動産登記には公信力があるため、登記記録を確認し、その登記記録の権利関係が真実であると信じて取引した場合には、その登記記録の権利関係が真実と異なっていても法的な保護を受けることができる。2013.1-41-4
  4. 適切。登記所には、土地の区画(筆界)を明確にするための資料として地図が備え付けられることになっています。公図は、地図が備え付けられるまでの間、「地図に準ずる図面」として地図に代わって備え付けられている図面です。公図は、明治時代の地租改正事業の際に作成されたもので、現況を正確に表しているとは言えません。なので、土地の大まかな位置関係、形状、地番を確認する資料として使われています。
    公図は地図に準ずる図面として登記所に備え付けられており、対象とする土地の位置関係や形状等を確認する資料として有用である。2024.9-41-4
    公図(旧土地台帳附属地図)は、登記所に備え付けられており、対象とする土地の位置関係等を確認する資料として有用である。2021.5-41-4
    公図(旧土地台帳附属地図)は、登記所に備え付けられており、対象とする土地の位置関係等を確認する資料として有用である。2020.9-41-2
    公図は、登記所に備え付けられており、一般に、対象とする土地の位置関係等を確認する資料として利用されている。2019.1-41-1
    公図は、地図に準ずる図面として登記所に備え付けられており、一般に、対象とする土地の位置関係等を確認する資料として利用されている。2014.5-41-4
    公図には、土地の地番が表示されており、一般には、対象とする土地の位置関係等を確認する資料として利用されている。2013.1-41-2
したがって不適切な記述は[2]です。