FP2級過去問題 2023年1月学科試験 問14

問14

個人年金保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、いずれも契約者(=保険料負担者)、被保険者および年金受取人は同一人とする。
  1. 確定年金では、年金受取期間中に被保険者が死亡した場合、死亡給付金受取人が既払込保険料相当額から被保険者に支払われた年金額を差し引いた金額を死亡給付金として受け取ることができる。
  2. 10年保証期間付終身年金において、被保険者の性別以外の契約条件が同一である場合、保険料は男性の方が女性よりも高くなる。
  3. 変額個人年金保険では、特別勘定における運用実績によって、将来受け取る年金額等が変動するが、年金受取開始前に被保険者が死亡した場合に支払われる死亡給付金については、基本保険金額が最低保証されている。
  4. 生存保障重視型の個人年金保険(いわゆるトンチン年金保険)では、年金受取開始前に被保険者が死亡した場合に支払われる死亡給付金は、既払込保険料相当額を超える金額に設定されている。

正解 3

問題難易度
肢114.0%
肢217.4%
肢362.7%
肢45.9%

解説

  1. 不適切。死亡給付金は支給されません。確定年金は、被保険者の生死に関係なく、一定期間年金を受け取ることができます。そのため、年金受取期間中に被保険者が死亡した場合には、年金受給権が相続人等に引き継がれるので、相続人等が保証期間満了までの年金(またはそれに代わる一時金)を受け取ることになります。
    個人年金保険(保証期間付終身年金)では、保証期間中に被保険者が死亡した場合、死亡給付金受取人が、既払込保険料相当額からすでに支払われた年金額を差し引いた金額を死亡給付金として受け取ることができる。2024.5-11-1
  2. 不適切。平均余命は女性の方が長く、保険会社からすれば見込まれる年金支払総額が増えるので、男女でその他契約内容が同一の場合、終身年金保険の保険料は女性の方が高くなります。
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    10年保証期間付終身年金では、被保険者の性別以外の契約条件が同一である場合、保険料は女性の方が男性よりも高くなる。2023.9-13-2
    終身年金では、他の契約条件が同一の場合、保険料は被保険者が女性であるよりも男性である方が高くなる。2022.5-12-1
    終身年金では、他の契約条件が同一の場合、保険料は被保険者が男性の方が女性よりも高くなる。2020.9-12-4
  3. [適切]。変額個人年金保険は、特別勘定に入れた保険料を株式や債券で運用し、その運用成果によって将来受け取る年金額や解約返戻金額が変動する保険商品です。もし運用がうまくいかなくても、被保険者が年金支払開始前に死亡した場合の死亡給付金には、契約当初に定めた基本保険金額の最低保証があります。
    変額個人年金保険では、保険料の特別勘定による運用成果によって、将来受け取る年金額等が変動するが、死亡給付金については基本保険金額が最低保証されている。2020.1-12-1
    変額個人年金保険では、年金受取開始日前に被保険者が死亡した場合に支払われる死亡給付金の額は、既払込保険料相当額となっている。2013.9-12-4
  4. 不適切。トンチン型の個人年金保険は、終身年金タイプの商品で、年金受取開始前の死亡保障や解約返戻金を低く抑え、その分を年金原資の運用に回すことで将来もらえる年金額を多くしたものです。このため、被保険者が年金支払開始前に死亡した場合の死亡給付金は払込保険料総額を下回ります。
    変な名前ですが、同じ仕組みの年金制度を考案した17世紀のイタリアの銀行家"ロレンツォ・トンティ"に由来しています。
    変額個人年金保険では、年金支払開始日前に被保険者が死亡した場合に支払われる死亡給付金の額は、既払込保険料相当額となっている。2016.9-13-2
    変額個人年金保険では、年金支払開始日前に被保険者が死亡した場合に支払われる死亡給付金の額は、既払込保険料相当額となっている。2014.5-11-2
したがって適切な記述は[3]です。