FP2級過去問題 2023年5月学科試験 問13

問13

外貨建て生命保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、記載のない特約については考慮しないものとする。
  1. 外貨建て生命保険は、米ドル・豪ドル・ユーロなどの外貨で保険料を払い込んで円貨で保険金等を受け取る保険であり、終身保険のほか、養老保険や個人年金保険などがある。
  2. 外貨建て終身保険は、円貨建ての終身保険と異なり、支払った保険料が生命保険料控除の対象とならない。
  3. 外貨建て終身保険は、契約時に円換算支払特約を付加すれば、契約時の為替相場で円換算した死亡保険金を受け取ることができる。
  4. MVA(市場価格調整)機能を有する外貨建て生命保険は、市場金利に応じた運用資産の価格変動に伴い、解約時の解約返戻金額が増減する。

正解 4

問題難易度
肢117.6%
肢215.2%
肢322.5%
肢444.7%

解説

  1. 不適切。外貨建て生命保険は、外貨で保険料を払い込み、外貨で保険金を受け取る保険です。終身保険、養老保険、個人年金保険、変額個人年金保険など、円建ての保険と同様の品揃えがあります。
  2. 不適切。外貨建て終身保険も、円貨建ての終身保険と同様の条件で生命保険料控除の対象になります。その場合、外貨で払い込んだ保険料を円貨に換算したうえで年末調整や確定申告を行います。
  3. 不適切。円換算支払特約は、外貨建て保険の保険金を円貨で受け取るための特約であり、為替予約をする効果はありません。円換算支払特約を付加する主な目的は、保険金を受け取るための外貨預金口座を不要とすることです。
    外貨建て終身保険では、円換算支払特約を付加することで、当該保険契約の締結時から保険金を受け取るまでの為替リスクを回避することができる。2024.9-13-3
    外貨建て終身保険では、円換算支払特約を付加することで、当該保険契約の締結後から保険金を受け取るまでの為替リスクを回避することができる。2022.9-13-4
    外貨建て終身保険は、契約時に円換算支払特約を付加すれば、契約時の為替相場で円換算した死亡保険金を受け取ることができる。2019.9-12-1
    外貨建て終身保険は、円換算支払特約を付加することにより、契約時の円建ての死亡保険金額が死亡保険金受取時にも円貨で保証される。2019.1-11-3
    外貨建て終身保険は、円換算支払特約を付加することにより、保険金等を円貨で受け取ることができ、為替リスクを回避することができる。2017.1-11-3
  4. [適切]。MVA(Market Value Adjustment:市場価格調整)機能は、市場金利の変化による債券価格の変動を解約返戻金の額に反映させる仕組みです。MVA機能を有する生命保険は、解約時の市場金利に応じて解約返戻金が増減します。
    外貨建て保険の保険料の大部分は、外国債券で運用されています。債券価格は市場金利が高くなれば下落し、市場金利が低くなれば上昇する負の相関関係にありますから、市場金利が高くなれば解約返戻金は減少し、市場金利が低くなれば解約返戻金は増加することになります。
したがって適切な記述は[4]です。