ポートフォリオ運用(全40問中4問目)

No.4

ポートフォリオ理論に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
2023年9月試験 問28
  1. ポートフォリオのリスクは、組み入れた各資産のリスクを組入比率で加重平均した値以下となる。
  2. ポートフォリオのリスクのうち、分散投資によって消去できないリスクをアンシステマティック・リスクという。
  3. ポートフォリオの期待収益率は、組み入れた各資産の期待収益率を組入比率で加重平均した値よりも大きくなる。
  4. 国債や社債のうち、発行時に将来の利息支払額が確定する固定利付債券は、すべて安全資産(無リスク資産)に分類される。

正解 1

問題難易度
肢139.2%
肢222.4%
肢316.7%
肢421.7%

解説

  1. [適切]。ポートフォリオのリスクは、相関係数が1でない限り、組み入れた各資産のリスクを組入比率で加重平均した値よりも小さくなります。これを「ポートフォリオ効果」といいます。
    ポートフォリオのリスクは、組み入れた各資産のリスクを組入比率で加重平均した値以下となる。2024.1-27-2
    ポートフォリオのリスクは、組み入れた各資産のリスクを組入比率で加重平均した値以下となる。2022.5-28-4
    ポートフォリオのリスクは、組み入れた各資産のリスクを組入比率で加重平均した値よりも大きくなる。2021.1-27-4
    ポートフォリオのリスクは、組み入れた各資産のリスクを組入比率で加重平均した値よりも大きくなる。2020.1-27-3
  2. 不適切。分散投資によっても除去できないのは「システマティック・リスク」です。システマティック・リスクは、金融市場全体や経済全体の動向により引き起こさるリスクのことで、組入れ銘柄数を増やして分散投資をしても軽減することはできません。市場金利の変動や自然災害などによるリスクがこれに該当します。一方、組入れ銘柄数を増やして分散投資をすることで軽減できるリスクを「アンシステマティック・リスク」といいます。
  3. 不適切。ポートフォリオの期待収益率は、組み入れた各資産の期待収益率を組入比率で加重平均した値となります。加重平均とは、値ごとに割合を加味して平均する方法です。
    たとえば、A資産(期待収益率2.5%)を40%、B資産(期待収益率6.0%)を60%の割合で保有しているとします。40%・60%が組入比率です。このとき、ポートフォリオの期待収益率は以下のように計算します。
    • A資産 2.5%×0.4=1%
    • B資産 6.0%×0.6=3.6%
    • 加重平均した値 1%+3.6%=4.6%
    ポートフォリオの期待収益率は、組み入れた各資産の期待収益率を組入比率で加重平均した値となる。2022.5-28-3
    ポートフォリオの期待収益率は、組み入れた各資産の期待収益率を単純平均した値となる。2022.1-27-4
    ポートフォリオの期待収益率は、ポートフォリオに組み入れた各資産の期待収益率を組入比率で加重平均した値となる。2021.3-29-1
    ポートフォリオの期待収益率は、組み入れた各資産の期待収益率を組入比率で加重平均した値となる。2021.1-27-3
    ポートフォリオの期待収益率は、組み入れた各資産の期待収益率を組入比率で加重平均した値よりも大きくなる。2020.1-27-4
    ポートフォリオの期待収益率は、ポートフォリオに組み入れた各資産の期待収益率を組入比率で加重平均した値となる。2018.5-28-1
    ポートフォリオの期待収益率は、ポートフォリオに組み入れた各資産の期待収益率を組入比率で加重平均した値となる。2016.5-29-1
    ポートフォリオの期待収益率は、ポートフォリオに組み入れた各資産の期待収益率を組入比率で加重平均して得た値となる。2015.9-27-1
    ポートフォリオの期待収益率は、ポートフォリオに組み入れた各資産の期待収益率を組入比率で加重平均して得た値となる。2015.1-27-1
  4. 不適切。安全資産(無リスク資産)とは、元本が保証されている資産のことです。一般的に、損失が発生しない国債や1金融機関につき1,000万円以下の普通預金などが安全資産とされています。社債は信用リスク等があり、元本が保証されていないため安全資産とはいえません。
したがって適切な記述は[1]です。