FP2級過去問題 2015年1月学科試験 問6(改題)

問6

厚生年金保険に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 産前産後休業期間中の被保険者に係る厚生年金保険の保険料は、事業主の申出により被保険者負担分の納付が免除されるが、事業主負担分については免除されない。
  2. 厚生年金保険の適用事業所に常時使用される70歳以上の者に支給される老齢厚生年金は、在職老齢年金の仕組みにより、年金額の全部または一部が支給停止となる場合がある。
  3. 老齢厚生年金の繰上げ支給を請求するときは、その請求と同時に老齢基礎年金の繰上げ支給の請求もしなければならない。
  4. 老齢厚生年金の繰下げ支給の増額率は、繰り下げた月数に0.7%を乗じて得た率(最大84%)となる。

正解 1

問題難易度
肢185.7%
肢26.0%
肢35.5%
肢42.8%

解説

  1. [不適切]。産前産後休業期間中や育児休業期間中の厚生年金保険料は、事業主が手続きをすれば、事業主負担分・被保険者負担分のどちらも免除されます。
    産前産後休業を取得している厚生年金保険の被保険者の厚生年金保険料は、所定の手続きにより、被保険者負担分と事業主負担分がいずれも免除される。2023.1-6-3
    産前産後休業を取得している厚生年金保険の被保険者の厚生年金保険料は、所定の手続きにより、被保険者負担分と事業主負担分がいずれも免除される。2022.5-5-4
    産前産後休業を取得している厚生年金保険の被保険者の厚生年金保険料は、所定の手続きにより、被保険者負担分と事業主負担分がいずれも免除される。2020.1-5-1
    産前産後休業期間中の厚生年金保険の被保険者に係る厚生年金保険料は、所定の手続きにより被保険者負担分は免除されるが、事業主負担分は免除されない。2019.5-5-3
    育児休業等をしている被保険者に係る厚生年金保険の保険料は、所定の手続きによって被保険者負担分は免除されるが、事業主負担分は免除されない。2017.5-4-3
    産前産後休業期間中の厚生年金保険の被保険者に係る保険料は、所定の手続きにより、事業主負担分、被保険者負担分のいずれも免除される。2016.9-3-4
    育児休業等をしている被保険者に係る厚生年金保険の保険料は、所定の手続きにより、被保険者負担分が免除されるが、事業主負担分は免除されない。2016.5-5-4
    育児休業等をしている被保険者に係る厚生年金保険料は、所定の手続きにより被保険者負担分の納付が免除されるが、事業主負担分については免除されない。2015.10-6-1
  2. 適切。厚生年金保険の適用事業所に勤めていても、70歳になると原則として厚生年金保険の被保険者ではなくなります。しかし、70歳以後も在職老齢年金の仕組みは引き続き適用されるので、給与額によっては年金額の全部または一部が支給停止となることがあります。
    厚生年金保険の適用事業所に使用される70歳以上の者に支給される老齢厚生年金は、在職支給停止の仕組みが適用されることはなく、全額支給される。2013.1-6-4
  3. 適切。老齢厚生年金の繰上げ支給を請求をする場合は、その請求と同時に老齢基礎年金の繰上げ支給の請求も行わなければなりません。
    老齢厚生年金の繰上げ支給を請求する場合、老齢基礎年金の繰上げ支給の請求も同時に行わなければならない。2023.9-5-3
    老齢厚生年金の繰上げ支給を請求する場合、老齢基礎年金の繰上げ支給の請求を同時に行う必要はない。2023.1-6-4
    老齢厚生年金の受給権者が老齢厚生年金の繰下げ支給の申出をする場合、老齢基礎年金の繰下げ支給の申出を同時に行わなければならない。2022.5-5-2
    老齢厚生年金の受給権者が老齢厚生年金の繰下げ支給の申出をする場合、老齢基礎年金の繰下げ支給の申出を同時に行わなければならない。2021.5-7-2
    老齢厚生年金の繰下げ支給を申し出る場合、老齢基礎年金の繰下げ支給と同時に申し出なければならない。2020.9-7-3
    老齢厚生年金の繰上げ支給を請求する場合、老齢基礎年金の繰上げ支給の請求を同時に行う必要はない。2019.1-6-3
    老齢厚生年金の繰下げ支給の申出は、老齢基礎年金の繰下げ支給の申出とは別に行うことができる。2018.5-5-3
    老齢厚生年金の繰下げ支給を申し出る場合、老齢基礎年金の繰下げ支給と同時に申し出なければならない。2017.9-6-3
    老齢厚生年金の繰上げ支給を請求するときは、その請求と同時に老齢基礎年金の繰上げ支給の請求もしなければならない。2014.5-5-1
    老齢厚生年金の支給繰下げの申出をする場合、その申出は老齢基礎年金の支給繰下げの申出と同時に行わなければならない。2013.1-5-3
  4. 適切。老齢厚生年金の繰下げ支給の増額率は、繰り下げた月数に0.7%を乗じて得た率となり、最大となる75歳まで繰り下げると「120ヶ月×0.7%=84%」となります。
    老齢基礎年金の繰下げ支給による年金の増額率は、繰り下げた月数に0.7%を乗じて得た率で、最大84%となる。2019.9-5-3
    老齢厚生年金の繰下げ支給による年金の増額率は、繰り下げた月数に0.5%を乗じて得た率で、最大30%となる。2018.5-5-4
    老齢厚生年金の繰下げ支給による年金の増額率は、繰り下げた月数に0.7%を乗じて得た率で、最大84%となる。2017.9-6-4
    老齢厚生年金の繰下げ支給の増額率は、繰り下げた月数に0.7%を乗じて得た率(最大84%)となる。2014.5-5-4
したがって不適切な記述は[1]です。