FP2級過去問題 2020年1月学科試験 問39

問39

会社と役員間の取引に係る所得税・法人税に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  1. 役員が会社に無利息で金銭の貸付けを行った場合、原則として、通常収受すべき利息に相当する金額が、その役員の雑所得の収入金額となる。
  2. 役員が所有する土地を会社に無償で譲渡した場合、会社は、適正な時価を受贈益として益金の額に算入する。
  3. 役員が会社の所有する社宅に無償で居住している場合、通常の賃貸料相当額について、その役員の給与所得の収入金額に算入されない。
  4. 会社が所有する資産を役員に譲渡し、その譲渡対価が適正な時価の2分の1未満であった場合、適正な時価相当額が、その役員の給与所得の収入金額となる。

正解 2

問題難易度
肢19.3%
肢256.8%
肢310.2%
肢423.7%

解説

  1. 不適切。役員から法人へ無利息での金銭貸付けが行われた場合、法人・役員ともに課税関係は生じません。役員から会社への貸付は、資金繰りなど営利目的以外で行われることが多いからです。会社側は「役員借入金」勘定として負債計上します。
  2. [適切]。役員が所有する土地を会社に無償もしくは低額で譲渡した場合、会社は、その時価と譲渡価額の差額を受贈益として益金に算入します。本肢では、無償譲渡(対価は0円)ですから土地の時価相当額そのままを受贈益として益金に算入します。
  3. 不適切。会社の所有する社宅に役員が無償で居住している場合は、法人が役員に対して経済的利益を与えたものと判断されます。このため、当該役員は賃料相当額の役員給与を受けたものとして所得税・住民税が課税されます。
  4. 不適切。法人が適正な時価よりも低い価額で役員に譲渡した場合、時価の2分の1未満であるなしにかかわらず適正な時価との差額が役員給与とされます。役員側は役員給与(給与所得)として所得税・住民税が課税されます。
したがって適切な記述は[2]です。