FP2級過去問題 2016年1月学科試験 問40

問40

会社と役員間の取引に係る所得税または法人税に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 役員が所有する土地を会社に無償で譲渡した場合、会社は、適正な時価を受贈益として益金の額に算入する。
  2. 役員が所有する建物を会社に譲渡した場合において、その譲渡対価が適正な時価に満たないときには、役員は必ず時価により譲渡したものとみなされ譲渡所得の計算を行う。
  3. 会社が所有する社宅に役員が無償で居住している場合、所定の方法により計算した賃貸料に相当する金額が役員の給与所得の収入金額に算入される。
  4. 役員が会社に対して無利息で金銭の貸付けを行った場合、役員について、原則として課税されない。

正解 2

問題難易度
肢18.4%
肢258.0%
肢310.1%
肢423.5%

解説

  1. 適切。役員が所有する資産を法人へ無償もしくは低額で譲渡した場合、法人側は時価で取得したものとされ、対価と時価の差額を受贈益として益金算入します。本肢のように無償譲渡だと対価は0円なので、時価をそのまま受贈益として益金算入することになります。
    役員が所有する土地を会社に無償で譲渡した場合、会社は、その適正な時価を受贈益として益金の額に算入する。2020.9-39-4
    役員が所有する土地を会社に無償で譲渡した場合、会社は、適正な時価を受贈益として益金の額に算入する。2020.1-39-2
    役員が所有する土地を会社に無償で譲渡した場合、会社は、適正な時価を受贈益として益金の額に算入する。2019.5-40-1
  2. [不適切]。役員が所有する建物を会社に譲渡し、その譲渡対価が適正な時価に満たない場合、譲渡対価の割合により以下のとおり処理します。
    譲渡対価が適正時価の2分の1未満
    時価が譲渡収入となる
    譲渡対価が適正時価の2分の1以上
    実際の収入金額が譲渡収入となる
    役員が所有する建物を適正な時価の2分の1以上かつ適正な時価未満の価額で会社に譲渡した場合、その役員は、適正な時価により当該土地を譲渡したものとして譲渡所得の計算を行う。2024.1-39-4
    役員が所有する土地を適正な時価の2分の1未満の価額で会社に譲渡した場合、その役員は、適正な時価の2分の1に相当する金額により当該土地を譲渡したものとして譲渡所得の計算を行う。2023.9-39-3
    役員が所有する土地を適正な時価の2分の1未満の価額で会社に譲渡した場合、その役員は、適正な時価により当該土地を譲渡したものとして譲渡所得の計算を行う。2023.5-39-3
    役員が所有する建物を適正な時価の2分の1以上かつ時価未満の価額で会社に譲渡した場合、役員は、時価相当額を譲渡価額として譲渡所得の計算を行う。2023.1-39-3
    役員が所有する建物を適正な時価の2分の1以上かつ時価未満の価額で会社に譲渡した場合、役員は、原則として、実際の譲渡価額を収入金額として譲渡所得の金額の計算を行う。2021.3-40-4
    役員が所有する建物を適正な時価の2分の1以上かつ時価未満の価額で会社に譲渡した場合、役員は原則として実際に譲渡した価額を収入金額として譲渡所得の金額の計算を行う。2018.9-39-2
  3. 適切。会社が所有する社宅に役員が無償で居住している場合、本来支払うべき賃貸料を支払っていないとして、その賃貸料相当額は役員の給与所得になります。
    役員が会社の所有する社宅に無償で居住している場合、原則として、通常の賃貸料相当額が、その役員の給与所得の収入金額に算入される。2024.1-39-2
    役員が会社の所有する社宅に無償で居住している場合、原則として、通常の賃貸料相当額が、その役員の給与所得の収入金額に算入される。2023.9-39-4
    役員が会社の所有する社宅に無償で居住している場合、原則として、通常の賃貸料相当額が、その役員の雑所得の収入金額に算入される。2023.5-39-4
    役員が会社の所有する社宅に無償で居住している場合、原則として、通常の賃料相当額が、その役員の給与所得の収入金額に算入される。2022.9-39-4
    役員が会社の所有する社宅に無償で居住している場合、原則として、通常の賃貸料相当額が、役員の給与所得の収入金額に算入される。2022.1-39-3
    役員が会社の所有する社宅に無償で居住している場合、原則として、通常の賃貸料相当額が、その役員の給与所得の収入金額に算入される。2021.5-40-4
    役員が会社の所有する社宅に無償で居住している場合の賃貸料に相当する金額については、原則として、役員に対して所得税は課されない。2021.3-40-2
    役員が会社の所有する社宅に無償で居住している場合であっても、通常の賃貸料相当額が役員の給与所得の収入金額に算入されることはない。2021.1-39-3
    役員が会社の所有する社宅に無償で居住している場合、通常の賃貸料相当額について、その役員の給与所得の収入金額に算入されない。2020.1-39-3
    会社が所有する社宅に役員が無償で居住している場合には、原則として、通常の賃貸料相当額が、その役員の給与所得の収入金額に算入される。2019.5-40-3
    役員が会社の所有する社宅に無償で居住している場合には、原則として、通常の賃貸料相当額が、その役員の給与所得の収入金額になる。2019.1-40-1
    役員が会社の所有する社宅に無償で居住している場合、通常の賃貸料相当額が役員給与とされる。2018.9-39-3
    役員が会社の所有する社宅に無償で居住している場合の賃貸料に相当する金額については、原則として、役員に対して所得税は課されない。2018.5-39-1
    役員が会社の所有する住宅に無償で居住している場合の賃貸料に相当する金額について、原則として役員に対して所得税は課されない。2017.9-39-2
  4. 適切。役員から法人へ無利息での金銭貸付けが行われた場合、法人・役員ともに課税関係は生じません。役員から会社への貸付は、資金繰りなど営利目的以外で行われることが多いからです。会社側は「役員借入金」勘定として負債計上します。
    役員が会社へ無利息で金銭の貸付けを行った場合の利息相当額について、役員には原則として課税されない。2018.9-39-4
    役員が会社に対して無利息で金銭の貸付けを行った場合の利息に相当する金額については、原則として、役員に対して所得税は課されない。2018.5-39-2
    役員が会社に対して無利息で金銭の貸付けを行った場合の利息に相当する金額について、原則として役員に対して所得税は課されない。2017.9-39-1
    役員が会社に対して無利息で金銭の貸付けを行った場合、役員については原則として所得税は課されない。2016.9-39-2
したがって不適切な記述は[2]です。