FP2級過去問題 2022年9月学科試験 問13

問13

生命保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、記載のない特約については考慮しないものとする。
  1. 養老保険では、被保険者が高度障害保険金を受け取った場合、保険契約は消滅する。
  2. 積立利率変動型終身保険では、契約後に積立利率が高くなった場合、契約時に定めた保険金額(基本保険金額)を上回る保険金額を受け取れることがある。
  3. 外貨建て個人年金保険では、年金を円貨で受け取る場合、外貨と円貨の為替レートの変動により、年金受取総額が払込保険料相当額を下回ることがある。
  4. 外貨建て終身保険では、円換算支払特約を付加することで、当該保険契約の締結後から保険金を受け取るまでの為替リスクを回避することができる。

正解 4

問題難易度
肢121.9%
肢27.2%
肢33.2%
肢467.7%

解説

  1. 適切。養老保険は、一定期間内に被保険者が死亡・高度障害となった場合に保険金が支払われて保険契約は消滅します。また、期間満了まで生存した場合には、死亡保険金と同額の満期保険金が受け取れます。
  2. 適切。積立利率変動型終身保険は、市場金利の変化に対応して積立利率が変動する保険です。契約時に最低保証として保険金額を設定しますが、積立利率が契約時よりも高くなれば、受け取れる保険金額も増加します。
  3. 適切。外貨建て個人年金保険の年金受取額は外貨で確定します。円貨で受け取る場合、外貨と円貨の為替変動の影響を受けます。受取時の為替レートが契約時より円高になっていると為替差損が発生し、年金受取総額が既払込保険料相当額を下回ってしまうこともあります。
    外貨建て個人年金保険では、年金を円貨で受け取る場合、外貨と円貨との為替レートの変動により、年金受取総額が払込保険料相当額を下回ることがある。2023.9-12-3
    外貨建て個人年金保険は、円換算支払特約を付加することで、為替変動があっても、円貨で受け取る年金受取総額が既払込保険料総額を下回ることはない。2021.9-13-2
    外貨建て個人年金保険は、年金を円貨で受け取る場合、為替相場の変動によっては、年金受取総額が既払込保険料相当額を下回ることがある。2019.9-13-1
    外貨建て個人年金保険の年金を円貨で受け取る場合、外貨と円貨の為替レートの変動によっては、年金受取総額が払込保険料相当額を下回ることがある。2019.5-13-3
    外貨建て個人年金保険では、年金を円貨で受け取る場合、為替相場の変動によっては、年金受取総額が既払込保険料相当額を下回ることがある。2019.1-12-4
    外貨建て個人年金保険では、円換算特約を付加することで、為替変動があっても円貨で受け取る場合の年金受取総額が既払込保険料相当額を下回ることはない。2017.5-13-3
    外貨建て個人年金保険において、死亡給付金や年金を円貨で受け取る場合、為替の変動によっては死亡給付金額や年金額等が支払保険料相当額を下回ることがある。2016.1-12-2
    外貨建て個人年金保険は、年金を円貨で受け取る場合、為替の変動によっては年金受取総額が既払込保険料相当額を下回ることがある。2015.9-12-2
  4. [不適切]。円換算支払特約は、外貨建て保険の保険金を円貨で受け取るための特約です。円換算支払特約を付加する主な目的は、保険金を受け取るための外貨預金口座を不要とすることです。そのため、円換算支払特約を付加したからといって、為替リスクを回避することはできません。
    外貨建て終身保険は、契約時に円換算支払特約を付加すれば、契約時の為替相場で円換算した死亡保険金を受け取ることができる。2023.5-13-3
    外貨建て終身保険は、契約時に円換算支払特約を付加すれば、契約時の為替相場で円換算した死亡保険金を受け取ることができる。2019.9-12-1
    外貨建て終身保険は、円換算支払特約を付加することにより、契約時の円建ての死亡保険金額が死亡保険金受取時にも円貨で保証される。2019.1-11-3
したがって不適切な記述は[4]です。