不動産の取引(全95問中76問目)
No.76
民法に基づく不動産の売買契約上の留意点に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。2015年1月試験 問42
- 買主が売主に解約手付を交付した場合、買主が契約の履行に着手するまでは、売主は受領した解約手付の倍額を買主に現実に提供することにより、売買契約を解除することができる。
- 土地の売買契約において、その土地の登記記録の面積と実測面積とが相違していても、その面積の差に基づく売買代金の増減精算は行わないという旨の特約は、有効である。
- 売買契約の目的物に契約内容に適合しない事実があった場合、売主は、その不適合があることについて故意または過失があるときに限り、買主に対して担保責任を負う。
- 売主の責めに帰すべき事由により、売買契約で定められている債務の履行が不能となった場合、買主は、履行の催告をすることなく当該契約を解除することができる。
広告
正解 3
問題難易度
肢110.1%
肢28.7%
肢364.8%
肢416.4%
肢28.7%
肢364.8%
肢416.4%
分野
科目:E.不動産細目:2.不動産の取引
解説
- 適切。解約手付が買主から売主に交付された場合、相手方が契約の履行に着手するまでは、買主は手付の放棄、売主は手付の倍額を買主に現実に提供することによって、契約を解除することができます。なお、契約履行の着手とは、売主の建築工事の着手、買主の購入代金の一部支払いなどの行為になります。買主が売主に解約手付を交付した場合、売主は、買主が契約の履行に着手する前であれば、受領した手付の倍額を買主に対して現実に提供することにより、契約の解除をすることができる。(2024.5-42-4)不動産の売買契約において買主が売主に手付金を交付した場合、売主が契約の履行に着手する前であれば、買主はその手付金を放棄することで契約を解除することができる。(2023.9-43-2)買主が売主に解約手付を交付した後、売買代金の一部を支払った場合、売主は、受領した代金を返還し、かつ、手付金の倍額を現実に提供しても、契約を解除することができない。(2022.9-43-3)買主が売主に解約手付を交付した場合、買主が代金の一部を支払った後でも、売主は、自らが契約の履行に着手するまでは、受領した代金を返還し、かつ、受領した手付の倍額を買主に現実に提供することにより、契約を解除することができる。(2022.5-43-3)買主が売主に解約手付を交付した場合、買主が契約の履行に着手するまでは、売主は受領した解約手付を返還して当該契約の解除をすることができる。(2022.1-43-1)買主が売主に解約手付を交付した場合、相手方が売買契約の履行に着手した後でも、買主はその解約手付を放棄し、売主はその解約手付の倍額を現実に提供して、当該売買契約を解除することができる。(2021.9-42-4)買主が売主に解約手付を交付した場合、相手方が売買契約の履行に着手するまでは、買主はその解約手付を放棄し、売主はその解約手付の倍額を現実に提供して、当該売買契約を解除することができる。(2021.3-43-2)買主が売主に解約手付を交付した場合、買主が代金を支払った後であっても、売主は、自らが契約の履行に着手するまでは、受領した手付の倍額を買主に現実に提供して契約を解除することができる。(2019.9-43-1)民法では、買主が売主に解約手付を交付した場合、買主が売買代金の一部を支払った後では、売主は、受領した代金を返還し、かつ、手付金の倍額を現実に提供しても、契約を解除することができない。(2019.5-43-2)買主が売主に解約手付を交付した場合、買主が売買代金を支払った後であっても、売主は、受領した代金を返還し、手付金の倍額を現実に提供することにより、契約の解除をすることができる。(2019.1-42-4)買主が売主に解約手付を交付した場合、買主が契約の履行に着手するまでは、売主は、受領した手付金の倍額を買主に現実に提供することにより、契約を解除することができる。(2018.9-43-2)買主が売主に解約手付を交付した場合、買主が契約の履行に着手する前であれば、売主は、手付金を全額返還することにより契約の解除をすることができる。(2018.5-43-1)民法では、買主が売主に解約手付を交付した場合、買主が売買代金の一部を支払った後でも、売主は、受領した代金を返還し、かつ、手付金の倍額を現実に提供することにより、契約を解除することができる。(2018.1-43-2)買主が売主に解約手付を交付した場合、買主が売買代金の一部を支払った後でも、売主は、受領した代金を返還し、かつ、手付金の倍額を現実に提供することにより、契約を解除することができる。(2017.5-43-1)買主が、売主に解約手付を交付した後、売買代金の一部を支払った場合は、買主の契約の履行の着手に当たるため、売主は、解約手付の倍額を現実に提供することによる契約の解除をすることができない。(2016.5-43-1)買主が売主に解約手付を交付した場合、売主が契約の履行に着手するまでは、買主はその解約手付を放棄することにより、売買契約を解除することができる。(2015.5-43-1)買主が売主に解約手付を交付した後、さらに売買代金の一部を支払った場合、売主は、受領した売買代金を返還し、かつ、解約手付の倍額を買主に現実に提供すれば、売買契約を解除することができる。(2014.1-44-4)買主が売主に解約手付を交付し、さらに売買代金の一部を支払った場合、売主は、受領した売買代金を返還し、かつ、解約手付の倍額を現実に提供すれば、売買契約を解除することができる。(2013.9-43-1)買主が解約手付を交付した場合、買主が契約の履行に着手するまでは、売主はその手付の倍額を買主に現実に提供することにより、売買契約を解除することができる。(2013.5-42-1)
- 適切。土地の売買契約において、その土地の登記面積と実測面積とが相違していても、その面積の差に基づく売買代金の増減精算は行わないという特約を定めることは有効で、この登記面積に基づき確定する取引を「公簿売買」といいます。また、実測面積に基づき確定する場合を「実測売買」といいます。土地の売買契約において、その土地の登記記録の面積と実測面積とが相違していても、その面積の差に基づく売買代金の増減精算は行わないという旨の特約は有効である。(2021.3-43-4)土地の売買契約において、その土地の登記記録の面積と実測面積とが相違していても、その面積の差に基づく売買代金の増減精算は行わないという旨の特約は、有効である。(2018.9-43-3)土地の売買契約において、その土地の登記記録の面積と実測面積とが相違しても、その面積の差に基づく売買代金の増減精算は行わないという旨の特約は、有効である。(2013.1-42-2)
- [不適切]。売主の担保責任は原則として無過失責任とされています。引き渡された売買契約の目的物に契約不適合が見つかった場合、売主の故意または過失の有無にかかわらず、売主は買主に対して担保責任を負わなければなりません。売買の目的物に契約内容に適合しない事実があった場合、売主は、その契約不適合があることについて故意または重大な過失があるときに限り、買主に対して担保責任を負う。(2018.9-43-4)売買の目的物に契約内容の適合しない事実があった場合、売主がその契約不適合について善意無過失であるときは、売主は、担保責任を負わない。(2018.5-43-2)売主は、売買の目的物に契約内容に適合しない事実があることを知らなかった場合、その契約不適合について担保責任を負う必要はない。(2017.5-43-4)売買の目的物に契約内容に適合しない事実があった場合、その契約不適合について売主に過失がなくても、売主は、原則として、担保責任を負わなければならない。(2017.1-44-1)売買契約の目的物である建物に契約内容に適合しない事実があった場合、売主は、その契約不適合について故意または過失がある場合に限り、買主に対して担保責任を負う。(2014.1-44-3)売買契約の目的物に契約内容に適合しない事実があった場合、その契約不適合について契約時に買主が知っていた場合には、売主は買主に対して担保責任を負わない。(2013.9-43-3)民法では、売買契約の目的物に契約内容に適合しない事実があった場合、その契約不適合について売主に過失がなくても、売主は、原則として、担保責任を負わなければならないとされる。(2013.1-42-4)
- 適切。契約に債務不履行があった場合、その不履行が軽微でなければ契約を解除することができます。この際、債務不履行の状態によって、契約解除をする側がとるべき手続きが異なります。
- 履行不能(履行が不可能であるとき)
履行拒絶(相手方が履行拒絶の意思を明確に示したとき) - 履行の催告をすることなく、直ちに契約解除できる
- 履行遅滞(履行ができるのに履行期を過ぎても履行しないとき)
- 相当の期間を定めて履行の催告をし、その期間内に履行されないときに契約解除できる
民法改正により、債務不履行による契約解除をする際に債務者の帰責事由は不要となりましたので、債務不履行が売主の責めに帰すべき事由によるものでなくても、買主は契約解除できます。売買契約の締結後、買主の責めに帰すことのできない事由により、当該契約の目的物の引渡債務の全部が履行不能となった場合、買主は、履行の催告をすることなく、直ちに契約の解除をすることができる。(2024.5-42-1)売買契約締結後、買主の責めに帰することができない事由により、当該契約の目的物の引渡債務の全部が履行不能となった場合、買主は履行の催告をすることなく、直ちに契約の解除をすることができる。(2023.5-43-4)売買契約締結後、買主の責めに帰することができない事由により、当該契約の目的物の引渡債務の全部が履行不能となった場合、買主は履行の催告をすることなく、直ちに契約の解除をすることができる。(2023.1-43-3)売買契約締結後、買主の責めに帰すことのできない事由により、当該契約の目的物の引渡債務の全部が履行不能となった場合、買主は、履行の催告をすることなく、直ちに契約の解除をすることができる。(2022.9-43-1)売買契約締結後、買主の責めに帰さない事由により、当該契約の目的物の引渡債務の全部が履行不能となった場合、買主は履行の催告をすることなく、直ちに契約の解除をすることができる。(2022.1-43-4)売買契約締結後、当該売買契約に定められている売主が負う債務の全部の履行が不能となった場合、その履行不能が買主の責めに帰すべき事由によらないときは、買主は、履行の催告をすることなく当該売買契約を解除することができる。(2021.3-43-3)売主の責めに帰すべき事由により、売買契約の目的物である不動産の引渡しに遅滞が生じた場合、買主は、催告をすることなく直ちに契約の解除をすることができる。(2018.5-43-3)売買契約締結後、売主の責めに帰すべき事由により引渡しに履行遅滞が生じた場合、買主は、催告なく直ちに契約を解除することができる。(2017.1-44-3)売買契約締結後、売主の責めに帰すべき事由により引渡しなどの履行遅滞が生じた場合、買主は、催告をすることなく直ちに契約を解除することができる。(2015.5-43-2)売主の責めに帰すべき事由により、売買契約で定められている債務の履行が不能となった場合、買主は、履行の催告をすることなく当該契約を解除することができる。(2013.9-43-2) - 履行不能(履行が不可能であるとき)
広告