FP2級過去問題 2017年1月学科試験 問44(改題)
問44
不動産の売買契約における民法上の留意点に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、特約については考慮しないものとする。- 売買の目的物に契約内容に適合しない事実があった場合、その契約不適合について売主に過失がなくても、売主は、原則として、担保責任を負わなければならない。
- 売買の目的物に契約内容に適合しない事実があり、買主が担保責任に基づく権利を行使して契約を解除する場合、買主は、その不適合を知った時から2年以内にその旨を売主に通知しなければならない。
- 売買契約締結後、売主の責めに帰すべき事由により引渡しに履行遅滞が生じた場合、買主は、催告なく直ちに契約を解除することができる。
- 売買の目的物である建物が、売買契約締結後から引渡しまでの間に、水害等の天災により滅失した場合、買主は売主に対して売買代金の支払いを拒むことができない。
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正解 1
問題難易度
肢169.8%
肢27.8%
肢39.0%
肢413.4%
肢27.8%
肢39.0%
肢413.4%
分野
科目:E.不動産細目:2.不動産の取引
解説
- [適切]。引き渡した売買の目的物に契約不適合があった場合、売主はその契約不適合につき過失がなくても担保責任を負います。
- 不適切。買主が、売主の担保責任を追及する場合は、買主はその不適合を知った時から1年以内にその旨を売主に通知しなければなりません。売主に請求できるのは、履行の追完、代金減額、契約解除、損害賠償です。
- 不適切。債務不履行の種類が履行遅滞である場合は、相手方に履行を催告し、その期間内に履行がないときでなければ契約を解除することができません。催告不要で契約解除できるのは履行不能・履行拒絶の場合です。なお、契約解除できるかどうかについて相手方の帰責事由の有無は関係ありません。
- 不適切。契約締結から引渡しまでの間に、天災などのやむを得ない原因(売主・買主の責めに帰すことのできない事由)で売買目的物が滅失した場合、売主の引渡し債務は履行不能となり消滅し、買主は売主に対する代金支払いを拒むことができます。
民法改正前は、売主の建物引渡し債務が消滅する一方、買主の代金支払い債務は残ったままとなり、建物の引渡しがないのに代金を支払うことが民法上の規定でした。この規定は不合理であったため、民法改正により実務に即した形に変更されました。
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