不動産の取引(全90問中39問目)

No.39

借地借家法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、本問においては、同法における定期建物賃貸借契約を定期借家契約といい、それ以外の建物賃貸借契約を普通借家契約という。
2018年9月試験 問44
  1. 定期借家契約は、公正証書によって締結しなければならない。
  2. 普通借家契約において存続期間を10ヵ月と定めた場合、期間の定めのない建物の賃貸借とみなされる。
  3. 期間の定めがある普通借家契約において、賃借人が更新拒絶の通知をするためには、正当の事由が必要である。
  4. 定期借家契約は、契約当事者の合意があっても、存続期間を6ヵ月未満とすることはできない。

正解 2

問題難易度
肢113.3%
肢262.4%
肢314.5%
肢49.8%

解説

  1. 不適切。定期借家契約は、公正証書などの書面または電磁的記録でしなければなりません。公正証書は例示にすぎないので、公正証書以外の書面であっても有効に締結することができます。借地借家法の契約のうち、契約方法が公正証書に限定されるのは事業用定期借地権等だけです。
    もっぱら事業の用に供する建物について定期借家契約を締結する場合、その契約は公正証書によってしなければならない。2023.9-45-3
    定期借家契約は、公正証書によって締結しなければならない。2021.1-44-4
    定期借家契約は、公正証書によって締結しなければ無効となる。2016.1-44-2
    事業の用に供する建物の賃貸借を目的として定期借家契約を締結することはできない。2014.5-43-2
    定期借家契約は、公正証書により契約を締結しなければならない。2014.1-46-1
  2. [適切]。普通借家契約の存続期間は、1年以上(上限なし)です。1年未満の存続期間の定めは無効となり、期間の定めがない契約とみなされます。
    普通借家契約において存続期間を6ヵ月と定めた場合、その存続期間は1年とみなされる。2023.9-45-1
    普通借家契約において、存続期間を3ヵ月と定めた場合、期間の定めがない建物の賃貸借とみなされる。2023.1-45-1
    普通借家契約において存続期間を1年未満に定めた場合、その存続期間は1年とみなされる。2022.9-44-1
    普通借家契約において、存続期間を10ヵ月と定めた場合、期間の定めがない建物の賃貸借とみなされる。2021.9-44-1
    普通借家契約において存続期間を6ヵ月と定めた場合、その存続期間は1年とみなされる。2021.1-44-1
    普通借家契約では、賃貸人および賃借人の合意により存続期間を6ヵ月と定めた場合であっても、その存続する期間は1年とみなされる。2018.1-45-1
    普通借家契約において、賃貸人および賃借人の合意により存続期間を6ヵ月と定めた場合であっても、その存続する期間は1年とみなされる。2017.5-45-1
    普通借家契約において存続期間を10ヵ月と定めた場合であっても、その存続期間は1年とみなされる。2017.1-45-2
  3. 不適切。普通借家契約では、貸主都合による立退き請求から借主を守るため、賃人が契約更新を拒絶するときには正当事由が必要とされています。しかし、本肢は賃人による更新拒絶なので正当事由は不要です。
    期間の定めがある普通借家契約において、賃借人は、正当の事由がなければ、賃貸人に対し、更新しない旨の通知をすることができない。2022.9-44-2
    期間の定めがある普通借家契約において、賃借人は、正当の事由がなければ、賃貸人に対し、更新しない旨の通知をすることができない。2022.1-44-1
    期間の定めがある普通借家契約において、賃借人は、正当の事由がなくとも、賃貸人に対して更新しない旨の通知をすることができる。2021.9-44-2
    期間の定めがある普通借家契約において、賃借人は、正当の事由があると認められるときでなければ、賃貸人に対して更新しない旨の通知をすることができない。2019.9-45-1
    期間の定めがある普通借家契約における賃借人から更新しない旨の通知は、賃借人に正当の事由があると認められるときでなければ、することができない。2018.5-45-1
    期間の定めがある普通借家契約において賃借人が更新拒絶の通知をする場合、正当の事由があると認められるときでなければすることができない。2017.1-45-3
  4. 不適切。定期借家契約は、契約期間の上限も下限もありません。契約当事者の合意があれば1年未満の存続期間を定めることもできます。
    定期借家契約は、契約当事者間の合意があっても、存続期間を3ヵ月未満とすることはできない。2023.9-45-4
    定期借家契約は、契約当事者の合意があっても、存続期間を6ヵ月未満とすることはできない。2021.1-44-3
    定期借家契約は、契約当事者の合意があっても、存続期間を6ヵ月未満とすることはできない。2020.9-45-1
したがって適切な記述は[2]です。
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