FP2級過去問題 2021年5月学科試験 問7(改題)

問7

公的年金の老齢給付に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  1. 国民年金の保険料免除期間は、老齢基礎年金の受給資格期間(10年)には算入されない。
  2. 老齢厚生年金の受給権者が老齢厚生年金の繰下げ支給の申出をする場合、老齢基礎年金の繰下げ支給の申出を同時に行わなければならない。
  3. 65歳以上の厚生年金保険の被保険者に支給される老齢厚生年金は、在職老齢年金の仕組みにより、当該被保険者の総報酬月額相当額と基本月額の合計額が50万円(2024年度価額)を超える場合、経過的加算部分等を除いた年金額の全部または一部が支給停止となる。
  4. 老齢厚生年金の加給年金額対象者である配偶者が、厚生年金保険の被保険者期間が10年以上である特別支給の老齢厚生年金の受給権を取得したときは、当該配偶者に係る加給年金額は支給停止となる。

正解 3

問題難易度
肢17.7%
肢210.4%
肢356.5%
肢425.4%

解説

  1. 不適切。老齢基礎年金の受給資格期間には保険料免除期間も算入されます。保険料納付済期間と保険料免除期間に合算対象期間(カラ期間)を合わせて10年以上であると老齢基礎年金の受給資格が得られます。
    元配偶者から分割を受けた厚生年金保険の保険料納付記録に係る期間は、老齢基礎年金の受給資格期間に算入される。2014.5-6-4
  2. 不適切。老齢厚生年金の繰下げ支給の申出と老齢基礎年金の繰下げ支給の申出は同時に行う必要はなく、それぞれに繰下げ時期を選択できます。一方、繰上げ請求は同時に行わなくてはなりません。
    老齢厚生年金の繰上げ支給を請求する場合、老齢基礎年金の繰上げ支給の請求も同時に行わなければならない。2024.9-6-1
    老齢厚生年金の受給権者が老齢厚生年金の繰下げ支給の申出をする場合、老齢基礎年金の繰下げ支給の申出を同時に行わなければならない。2024.5-6-3
    老齢厚生年金の繰上げ支給を請求する場合、老齢基礎年金の繰上げ支給の請求も同時に行わなければならない。2023.9-5-3
    老齢厚生年金の繰上げ支給を請求する場合、老齢基礎年金の繰上げ支給の請求を同時に行う必要はない。2023.1-6-4
    老齢厚生年金の受給権者が老齢厚生年金の繰下げ支給の申出をする場合、老齢基礎年金の繰下げ支給の申出を同時に行わなければならない。2022.5-5-2
    老齢厚生年金の繰下げ支給を申し出る場合、老齢基礎年金の繰下げ支給と同時に申し出なければならない。2020.9-7-3
    老齢厚生年金の繰上げ支給を請求する場合、老齢基礎年金の繰上げ支給の請求を同時に行う必要はない。2019.1-6-3
    老齢厚生年金の繰下げ支給の申出は、老齢基礎年金の繰下げ支給の申出とは別に行うことができる。2018.5-5-3
    老齢厚生年金の繰下げ支給を申し出る場合、老齢基礎年金の繰下げ支給と同時に申し出なければならない。2017.9-6-3
    老齢厚生年金の繰上げ支給を請求するときは、その請求と同時に老齢基礎年金の繰上げ支給の請求もしなければならない。2015.1-6-3
    老齢厚生年金の繰上げ支給を請求するときは、その請求と同時に老齢基礎年金の繰上げ支給の請求もしなければならない。2014.5-5-1
    老齢厚生年金の支給繰下げの申出をする場合、その申出は老齢基礎年金の支給繰下げの申出と同時に行わなければならない。2013.1-5-3
  3. [適切]。厚生年金の被保険者として勤務しながら老齢厚生年金を受給している場合、在職老齢年金の仕組みにより、総報酬月額相当額と年金の基本月額の合計が50万円を超えると、老齢厚生年金額の全部または一部が支給停止になります。経過的加算部分が支給停止とならないのは老齢基礎年金の不足を補う部分だからです。
    厚生年金保険の被保険者に支給される特別支給の老齢厚生年金は、在職老齢年金の仕組みにより、その受給権者の総報酬月額相当額と基本月額との合計が50万円(2024年度価額)を超えた場合、年金額の全部または一部が支給停止となる。2019.5-6-2
    厚生年金保険の被保険者に支給される特別支給の老齢厚生年金は、在職老齢年金の仕組みにより、当該被保険者の総報酬月額相当額と基本月額の合計額が50万円(2024年度価額)を超えると、年金額の全部または一部が支給停止となる。2019.1-6-4
    厚生年金保険の被保険者に支給される特別支給の老齢厚生年金は、その受給権者の総報酬月額相当額と基本月額との合計額が50万円(2024年度価額)を超える場合、年金額の全部または一部が支給停止となる。2018.1-6-3
    特別支給の老齢厚生年金の受給権者が厚生年金保険の被保険者である場合、その者の総報酬月額相当額と基本月額との合計額が50万円(2024年度価額)を超えるときは、年金額の全部または一部が支給停止となる。2016.9-4-3
    65歳未満の厚生年金保険の被保険者に支給される老齢厚生年金は、その者の基本月額と総報酬月額相当額の合計額が50万円(2024年度価額)を超える場合、年金額の全部または一部が支給停止となる。2015.10-6-3
    厚生年金保険の被保険者に支給される特別支給の老齢厚生年金は、当該被保険者の総報酬月額相当額と基本月額との合計額が50万円(2024年度価額)を超える場合、在職老齢年金の仕組みにより年金額の全部または一部が支給停止となる。2014.1-5-2
    厚生年金保険の被保険者に支給される特別支給の老齢厚生年金は、当該被保険者の総報酬月額相当額と基本月額との合計額が50万円(2024年度価額)を超える場合、在職老齢年金の仕組みにより年金額の全部または一部が支給停止となる。2013.9-5-4
    65歳未満の厚生年金保険の被保険者に支給される特別支給の老齢厚生年金は、基本月額と総報酬月額相当額の合計が50万円(2024年度価額)を超えた場合、年金額の全部または一部が支給停止となる。2013.1-6-1
    65歳以上の厚生年金保険の被保険者に支給される老齢厚生年金は、基本月額と総報酬月額相当額の合計が50万円(2024年度価額)を超えた場合、年金額の全部または一部が支給停止となる。2013.1-6-2
  4. 不適切。加給年金額は、配偶者が被保険者期間20年以上の老齢厚生年金等の受給権を有していると支給されません。本肢は「10年以上」としているので誤りです。
    配偶者の被保険者期間が20年以上である場合には、特別支給の老齢厚生年金や老齢厚生年金の繰上げで受給権を得ると、加給年金額が支給停止されることになります。
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したがって適切な記述は[3]です。