不動産の取引(全85問中24問目)

No.24

不動産の売買契約に係る民法の規定に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、特約については考慮しないものとする。
2019年9月試験 問43
  1. 買主が売主に解約手付を交付した場合、買主が代金を支払った後であっても、売主は、自らが契約の履行に着手するまでは、受領した手付の倍額を買主に償還して契約を解除することができる。
  2. 未成年者が法定代理人の同意を得ずに不動産の売買契約を締結した場合、原則として、その法定代理人だけでなく、未成年者本人も、当該売買契約を取り消すことができる。
  3. 不動産について二重に売買契約が締結された場合、当該複数の買主間においては、原則として、売買契約を先に締結した者が当該不動産の所有権を取得する。
  4. 共有となっている建物について、自己が有している持分を第三者に譲渡するときは、他の共有者全員の同意を得なければならない。

正解 2

問題難易度
肢119.7%
肢253.9%
肢315.2%
肢411.2%

解説

  1. 不適切。売買契約において、買主から売主に解約手付が交付された場合、その後契約を解除するためには、相手方が契約の履行に着手するまでに、買主はその解約手付を放棄し、売主はその解約手付の倍額を償還することで、当該売買契約を解除することができます。
    今回のケースでは買主が代金を支払っており、契約の履行に着手したとみなされるため、手付による契約解除はできません。
  2. [適切]。未成年者が契約等の法律行為を行う際は、法定代理人(多くの場合は親)の同意を得る必要があります。もし、未成年者が法定代理人の同意を得ずに売買契約を締結した場合、本人または法定代理人は民法の規定に従い当該契約を取り消すことができます。
  3. 不適切。不動産について二重に売買契約が締結された場合、売買契約の先後ではなく、先に所有権移転登記を備えた方が別の買主に対して所有権を主張できます。不動産の第三者対抗要件は登記だからです。
  4. 不適切。共有持分は所有権の一種ですから、共有名義の不動産の自己持分については、他の共有者の同意がなくても、いつでも自由に処分(第三者への譲渡や売却などが)できます。
したがって適切な記述は[2]です。