FP2級過去問題 2018年5月学科試験 問34(改題)

問34

所得税の所得控除に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 医療費控除の対象となる医療費の金額は、原則としてその年中に実際に支払った金額が対象となり、年末の時点で未払いの金額はその年分の医療費控除の対象にはならない。
  2. 納税者が生計を一にする配偶者の負担すべき国民年金保険料を支払った場合、その支払った金額は納税者の社会保険料控除の対象となる。
  3. 納税者の配偶者が事業専従者として給与を受けている場合には、配偶者の合計所得金額が48万円以下であっても、納税者は配偶者控除の適用を受けることができない。
  4. 納税者が障害者である親族を扶養している場合でも、納税者自身が障害者でなければ障害者控除の適用を受けることができない。

正解 4

問題難易度
肢19.9%
肢25.7%
肢312.0%
肢472.4%

解説

  1. 適切。医療費控除の対象は、その年に実際に支払った金額ですので、年末の時点での未払い分は対象外になります。
    医療費控除の対象となる医療費の金額は、その年中に実際に支払った金額であり、治療を受けたが未払いとなっている金額は対象とならない。2017.9-35-1
    医療費控除の対象となる医療費の金額は、その年中に受けた医療に係る費用であり、年末の時点で未払いの金額も医療費控除の対象となる。2015.1-35-2
  2. 適切。納税者本人と生計を一にする配偶者・親族のために負担した社会保険料は、その全額が社会保険料控除の控除額となります。
    納税者と生計を一にする配偶者(66歳)が受け取っている公的年金から徴収されている介護保険料は、納税者の社会保険料控除の対象となる。2014.9-34-2
    納税者が生計を一にする子の負担すべき国民年金保険料を納付した場合、その納付した金額は、納税者の社会保険料控除の対象とならない。2014.5-34-2
    納税者と生計を一にしている長男の負担すべき国民年金保険料を納税者が支払った場合、その支払った金額は、納税者の社会保険料控除の対象とならない。2013.9-35-2
  3. 適切。配偶者が青色事業専従者としてその年に1円でも給与支払いを受けている、白色事業専従者である場合は、配偶者の合計所得金額の多寡にかかわらず、配偶者控除も配偶者特別控除も適用されません。
    納税者が配偶者に青色事業専従者給与を支払った場合、その支払った金額が一定額以下であり、納税者の合計所得金額が一定額以下であれば、配偶者控除の適用を受けることができる。2021.5-33-3
    納税者が配偶者に対して支払う給与を青色事業専従者給与として必要経費に算入している場合は、配偶者の合計所得金額が48万円以下であれば、納税者は配偶者控除の適用を受けることができる。2013.5-35-1
  4. [不適切]。障害者控除は、納税者本人のみならず、その控除対象配偶者および扶養親族の中に一定の障害者または特別障害者がいる場合に適用を受けることができます。納税者本人は障害者とは限定されていないので、記述は不適切です。
    障害者ではない納税者が障害者である親族を扶養している場合、納税者は障害者控除の適用を受けることはできない。2021.9-35-4
したがって不適切な記述は[4]です。